篠笛ソングライターとして活躍する 香川 良子(りょうこ)さん 明神町在住
郷愁表現 「まつり盛り上げる」
○…篠笛(しのぶえ)は「竹に穴を開けただけ」というとてもシンプルな楽器。リードがなく、息のあんばいで「音を色づけ」する。所有する篠笛は多すぎて「家は竹林のよう」と笑う。長く使うと飴色に変わり、「甘い音色」が出せるようになるそう。「日本の郷愁を感じさせてくれる楽器。しみじみと心に届きます」。5歳の頃から吹き始めた。
○…地元の私立中高を卒業し青山学院大学仏文学部へ。一般企業へ就職後、「笛一本で行く」と奏者の道を決意。祭囃子からポピュラー音楽、自ら作った曲まで幅広く演奏し、コンサート出演やCD製作をするように。祭囃子の楽器を「主役」とし現代曲等の演奏に挑戦したことが評価され、一昨年、地域伝統芸能についての表彰を受けた。今年5月にはイタリアでのステージを経験。7月には北海道・東北地方で子どもたちが伝統音楽に触れるワークショップに参加。その魅力を伝える活動にも尽力する。
○…使う篠笛は奏者である父親の手作りで、ドレミの音階が表現できるように調整されている。これまで父親から指導を受けてきたが「やれ」と言われたことは一度もない。会社勤めの忙しさから吹けなくなる時期を体験し、その時初めて気が付いた。「好きな時に思うように吹ける環境はありがたいもの」。家族、周囲へ感謝の思いを忘れない。
○…祭りの話になると「鳥肌が立ちます」。八王子まつりの際は毎年、中町の山車に乗る。たくさんの視線を浴びながら、人の力で動かしてもらう山車の上での演奏。「3日間吹き続けるのは大変ですが、1年で一番楽しい時間」とほほ笑む。両親も祭囃子奏者であり、赤ん坊の頃から山車に乗っていた。近所では「山車から生まれた娘」と言われ「マスコット的な存在」だったそう。まつりを八王子最大の魅力と考え、「この機会にもっとこの街のことを知ってもらいたい」と来場を呼びかける。「皆さんと一緒に盛り上げたいです」
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