中央大学陸上競技部(東中野)・長距離ブロックの1年生主将が10月15日(土)に行われる箱根駅伝予選会(立川市)に向け、チームを引っ張っている。6月に行われた全日本大学駅伝対校選手権大会の推薦校選考会では、完走した18チーム中17位と低迷した同部だが、新主将の「改革」に期待が寄せられる。
「全日本大学駅伝」の推薦校選考会後に同部主将に就任したのは、舟津彰馬(しょうま)さん(19)。福岡県の高校を卒業し、この春、中央大学に入学したばかりの1年生だ。主将の指名には「驚きました。でも、走りに関して学年は関係ないと思っているので、しっかりとチームをまとめていきたい」と意気込みをみせる。
所属する中央大学陸上競技部・長距離ブロックは、箱根駅伝出場校で最多となる14回の総合優勝を誇り、今年まで87回連続90回の出場を果たしている名門校。ただ、この数年は10位以内に与えられるシード権を得られずに予選会へとまわる戦いを強いられている。
殻破れるように
舟津さんがチームに欠けていると感じているのは「相手を押しのけてでも勝つ」という闘志。そのため、練習の「集団走」で、いつも後方を走る先輩に「前に出てみてはどうですか」と声をかけるなど、メンバーが強い心をもって「自分の殻」を破れるようにするための環境づくりを意識しながら練習を行っている。
「主将と言っても、敬語を使うなど上下関係はそのままです。寮の電話番や洗濯などの1年生の仕事も行っています」
冷静に「前」見据える
言葉だけでなく、自分の走りでもチームに刺激を与えている。9月に行われた大学陸上競技の日本一を決める「日本学生陸上競技対校選手権大会」の男子1500mでは2位となる好成績を収めた。
ただ、舟津さんはその結果を冷静に受け止めている。高校時代から大学入学後に積んできた練習の内容を考えれば「当然の結果」と考えているのだ。「将来の夢は、より良い会社に入って安定した生活を手にしたうえで競技力を高めていくことなんです」と笑う。安定した生活を手にすることによって精神的な余裕が生まれることが、自身の力を最大限に発揮することにつながると考えているのだという。
全ては勝つために――。舟津さんは主将就任後、部のスローガンをこう立てた。常に先の目標を立て、それを達成するために「今」必要なことを冷静に分析し、実践していく。その”舟津流”でチームを引っ張っていくつもりだ。同ブロックの藤原正和監督は「舟津が主将となり、チームが戦う集団になってきた」とみている。
91回目の出場目指す
10月15日の箱根駅伝予選会は、舟津さんにとって公式戦では最長距離の20キロレースとなる。これまでは、10キロ以下のレースを中心としてきただけに、距離に不安があるのでは――の問いに舟津さんは「距離は関係ないです。ひとつの勝負と捉えています」と意に介さない。
「伝統を重視しつつも、自分たちの『今』を大切にしていきたい」。寮の部屋でアクション映画を見るのが息抜きになっていると話す1年生主将がチームを91回目の箱根駅伝へと導くために、「今」を全力で駆けている。
市内3大学も
予選会には、中大のほか、市内にキャンパスを構える3大学も出場する。今年の箱根駅伝で16位となった拓殖大学(館町)と2大会ぶりの本戦出場を狙う創価大学(丹木町)。過去最高順位を目指す首都大学東京(南大沢)が出走する。
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