八幡町の乾物店に勤める宮寺匡広(まさひろ)さん(31・武蔵村山市在住)がこのほど、野球のアメリカ独立リーグで挑戦し続ける日本人の様子を描いたノンフィクション「NPB以外の選択肢」(彩流社)を出版した。宮寺さんは米独立リーグで活躍する現役内野手でもある。
日本人選手の「生き方」描く
アメリカでは「メジャーリーグ」と呼ばれるMLBが、日本では「プロ野球」のNPBが、それぞれ野球界の頂点として知られる。「独立リーグ」はMLBやNPBへのステップの場であるとともに、その頂点へたどり着けなかった選手らが「野球を続けられる」場のひとつでもある。過密なスケジュールの上に、薄給であるなど「厳しい環境」であるが、ここにチャレンジする人は少なくない。宮寺さんは自らも身を置く米独立リーグで、そんな「挑戦をやめない日本人」にスポットライトを当てた。
アメリカ(カナダ)の独立リーグは8つあり、それぞれ3〜20チームほどが加盟している。宮寺さんによると、主にメジャーやマイナーを自由契約になった選手や、高校・大学を卒業後に、メジャー組織と契約を結べなかった選手らで構成。日本人は5人いるそう。
同書ではそこでプレーをしたり監督・コーチを務めたりする(した)日本人7人と元メジャーリーガー、マック鈴木さんのライフストーリーを紹介している。宮寺さんは4年がかりで取材した。
宮寺さんは日大三高、慶應義塾大学で硬式野球部に所属。大手コンビニに就職するも1年で退職した。
子どもの頃にテレビで見た野茂英雄の活躍や、マグワイアとソーサのホームラン王争いなどの影響でアメリカの野球への憧れは強かった。「あの雰囲気がいい」。どうしても現地でプレーがしたく米独立リーグへ「売り込み」を始めた。
27歳で初の契約
単身渡米し自ら監督らにアピールするなどした。2013年、27歳のとき、ペコスリーグのラスベガス・トレインロバーズから「練習生として帯同してもいい」と返事をもらった。給料なしで2カ月間練習に参加。翌シーズンになって選手としての契約を得た。「嬉しかった。でもすぐにもっと上へ行きたいと思いました」と振り返る。ちなみに同リーグは薄給のリーグとして知られ、月給は多くても5万円ほどだったそう。
その後、5シーズンにわたり合計6チームに所属。「足の速さ」「どこでも守れる」ことがストロングポイントで、3割を打ったシーズンもあった。
一方、社会人を経験したので「せっかくなら自分しかできないことを」と、また大学時代に論文で文章力を鍛えられ「自分にできるのは書いて伝えること」と思い、当初から現役中に本を出すことをめざしていた。プレーをする傍ら、米独立リーグの日本人選手20人ほどから話を聞いた。
契約に安定はない。でも挑戦はやめない。そのメンタリティはどこにあるのか――。「(米独立リーグでプレーすることは)社会から外れての挑戦と思う。選択肢は色々とあって、多様な生き方があることを知ってもらいたい」と宮寺さんは本に込めた思いを話す。取材をする中で、特にマック鈴木さんの言葉が印象に残ったそう。「わざわざそこを通らなあかんかって言ったら、通らんでええんちゃう?でもな、通ったことで、普通の人じゃできない経験ができるのは確か。メジャーの景色を見ると、『やっぱいいな』って思う」(著書より)
オフは日本で仕事
彩流社の担当は打ち明ける。「最初は一人語りかと思いました。でも、本になるかもわからずに色々な選手に取材し形にしていて、とても感心しました」。宮寺さんは企画を持って出版社をまわり、40社目でようやく目にとめてもらった。
今年は9月までソノマ・ストンパーズでプレーした。ポジションは主にショート。来季も契約の方向で現在ビザの申請手続きを進めているそう。米独立リーグのシーズンは5月から10月くらいまでで、宮寺さんはそれ以外の時期、日本で働き生計を建てている。「あと数年はやりたい」。挑戦はまだ続きそうだ。
![]() 勤務先で自著を手に
|
![]() |
湘南巻き爪矯正院 八王子院無料相談会実施中!神奈川16店舗展開 施術実績41万回超 切らない・痛くない「負担の少ない施術」 |
<PR>
八王子版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
求人特集sponsored by 求人ボックス
| |
| |
「サイクルショップ専門店での販売スタッフ」/東証グロース上場企業/未経験歓迎/完全週休2日制/20代活躍中/八王子越野店DAIWA CYCLE株式会社 東京都 八王子市 月給22万2,750円~30万円 正社員 | |