八王子FM(77・5MHz)でレギュラー番組を持つシンガーソングライターの冨永裕輔さん(34)が8月、晴れてメジャーデビューをする。信松院(台町)に眠る武田信玄の息女「松姫様」をモチーフにした「ご当地ソング」を収録するデビューアルバムは、レーベルによるとすでに多くの予約を受けており、関係者は「新人ながらいきなりオリコン(音楽チャート)上位に入るのでは」と期待を寄せている。
シンガーソングライター FMで番組
冨永さんは2007年から合計12枚のアルバムを発表。インディーズCDの販売累計は1万枚にのぼるそう。そのため所属レーベルのスターラジオレコードは、「メジャーデビューCDも1万枚」と力を入れる。デビューアルバム「シルクロード」(キングレコード販売)は8月8日に発売。仮に1万枚販売が見込めるとすると、「新人ながらいきなりオリコンTOP10入り」で業界の話題になる可能性がある。予約数を増やすため今後、全国でプロモーションを展開していく。
南大沢からスタート
冨永さんは福岡県の出身。早稲田大学への進学を機に上京。大学時代はあのゴスペラーズを輩出したアカペラサークルに所属していた。
アカペラとピアノ弾き語りでプロをめざした。卒業後、各地の施設に出演の依頼をする中で、最初に場を提供したのが南大沢のラ・フェット多摩南大沢(現三井アウトレット)だった。冨永さんは「ですので音楽活動の原点は八王子。第2のふるさとのよう」と話す。
ここ数年は活動拠点を九州に移していた。そんな中、昨年10月八王子にFMラジオ局が開局することを知ると、東京で知名度をあげるチャンスと考え、「番組を持ちたい」と問い合わせた。八王子FMの中野健次郎代表は冨永さんについて「ナイスガイ。まじめで人当りがいい」とその印象を話す。また「(ピッチが安定していて)歌唱力はもちろん、声量もある。頭もいい。平井堅のような存在になれる」とも。プロデューサー業等で長く音楽業界に携わり培われた眼力から、冨永さんに大きな可能性を感じている。
一方中野さんは開局当初から、経営の柱のひとつとしてレコード会社(レーベル)の設立を検討していた。今年の春先、そのレーベル、スターラジオレコードから発売する第1弾の作品として冨永さんを推薦。周囲も同じ意見だったそう。
松姫様テーマも
冨永さんは自身の番組(木曜午後8時)で八王子を紹介するコーナーを設けており、そこで「松姫様」を取り上げたことがあった。それがきっかけで3月、同院を訪れ感じたことなどを素材に曲を書き上げた。それがデビューアルバムに収められるご当地ソング「―シルクロード―拝啓 松姫さま」。楽曲のプロモーションビデオ(PV)は住職の好意により同院観音堂で撮影された。
冨永さんは「クリスタルハイトーンボイス」と称される歌声が特徴。南大沢で初めての弾き語りをしたときから今も見守り続けるファンや、八王子FMでの放送時に九州や四国からスタジオに駆けつける熱心な人もいる。中野さんは「どんどんでかい所へ行ってほしい」とエールを送る。冨永さんは「歌で八王子が盛り上がれば。ひとりひとりに光があたる歌を作り歌っていきたい」と話した。
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