一般社団法人フードバンク八王子の理事で、子どもの食について支援活動をする 川久保 美紀子さん 日野市在住
貧困問題 「もっと関心を」
○…子どもの7人に1人が貧困という。日々、食に不安を抱えて暮らす家庭が全国にある。「夏休みや冬休みのあと、痩せてくる子どもがいる」。そんな話を耳にした。給食を食べられない期間のため栄養を十分とることができないという。「何とかしたい」-。山梨で食の支援に取り組んでいる団体の例を参考に「八王子でも」と起案した。この冬休み、市内50の家庭に「みんなの思いが詰まった」食品が届く。
○…小1まで福島で過ごし、その後川崎、稲城でも暮らした。現在の活動の場は八王子がメイン。「(どんどん西に向かっており)最後は青梅かしら」と笑う。地域活動の延長としてコミュニティビジネスを学ぶ中で市民活動支援センターに関わるように。3年前、「フードバンク」の立ち上げに伴い、その流れでボランティアで参加。「(食品を運ぶなど)力仕事がほとんど」とはにかむ。趣味は陶芸、パッチワークなどで自宅には作品が並ぶ。「でもどちらかというと材料の方が多いですかね。ついつい買ってしまうんです」
○…フードバンクの事務所に、食べ物を受け取りに来る親子がいる。そうして「目に見える」姿は、ほんの一部。「(7人に1人という)割合から考えると『自分の隣にいる』かもしれない。もっとたくさんの人に関心を持ってほしい」。世に広まる貧困の原因については「社会構造ですかね?」と頭を抱える。
○…長期休暇中の食の支援について資金集めはネットを通じて展開するクラウドファンディングで実施した。結果、多くの人から目標金額を大きく上回る支援金が集まった。「イベントの手伝いなど『みんなができること』をちょっとずつしてほしい。八王子市民57万人にやってもらえたらすごい力になる」。やわらかな口調で訴えた。
|
|
|
|
|
|