先ごろ、めじろ台在住の藤巻光平さん(片倉町・日本工学院八王子専門学校)が生み出した、3Dゲームの開発用ソフトウェアが、次世代を担うIT技術者の発掘などを目的としたコンテストで最高評価を受けた。その高い技術力には今後への期待の声が上がっている。
映画の質、目指す
藤巻さんが約半年をかけ開発した作品を出品したのは、1980年に始まった「U-22プログラミング・コンテスト」。経済産業省がゲーム制作などのIT技術者の発掘・育成などを目的にスタートさせたもので、今年は全460作品の出品があった。
藤巻さんの作品は、ゲームクリエイターが3D画面をつかったゲームをつくる際に、よりリアルな映像を生み出しやすいようにプログラミングされたもの。
機能性向上のために様々な計算式が織り込まれ「映画のような画面がつくれるように設計しました。休みの日は1日中取り組むこともあり、目指していたものが出来上がって良かったです」と藤巻さん。
最終形をイメージしながら「油絵を描くように」システムを構築していったのだという。
技術力に最高評価
受けた評価は、技術性の高さを競うテクノロジー部門の最高評価となる経済産業大臣賞。
「評価を受けうれしい」と藤巻さんは話し、指導する日本工学院八王子専門学校・デザインカレッジの吉冨賢介さんは「誇らしい限り。周囲としっかりとコミュニケーションが取れ、行動力がある生徒。世界をびっくりさせるようなゲームクリエイターになってもらいたい」と藤巻さんの今後へ期待を寄せている。
プロ意識が後押し
藤巻さんの技術力を後押ししているのが、ゲームクリエイターとしての高いプロ意識だ。
今回の作品で画像の質にこだわったのも、ゲームに興味をもってもらうには画像の質は欠かせないところだから、というゲームを「売る」立場での視点から来ている。
趣味で、ではなく、プロフェショナルとしてゲームづくりにあたりたいからこそ、今回は、ゲームを生み出す力以上に技術力が求められる開発ツールづくりにあったとも。
来春にはゲーム会社へ入社し、ゲームクリエイターとしての仕事を始める22歳。将来は「リアルな絵を生み出せる技術者になりたいと考えています」
チームでも
今回のコンテストでは藤巻さんを含む同校生徒らで構成したチームで出品した、CGを使ったパズルアクションゲームも完成度の高い作品を評価するプロダクト部門で表彰を受けた。「団体戦という感じで臨みました。個人とは異なるうれしさがあります」と藤巻さん。同校のゲームクリエイター、CGのクラスのメンバーが揃うなか、この作品では皆をつなぐプロデューサー的な役割を担ったという。同校がこのコンテストで表彰を受けるのは昨年の4作品に続き、2年連続となる。
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