今月行われた東京マラソンでも注目された、マラソン日本記録保持者である大迫傑選手のトレーナーを務める人物が八王子を拠点に活動している。
大塚の帝京大学八王子キャンパス内にある、同大学スポーツ医科学センター助教を務める五味宏生さん(35)=写真=だ。
トレーナーとして同大学の運動部や一般の学生への指導を行う一方で、米国を拠点とする大迫選手のサポートにあたっている。「主に怪我をしないようにすること。そして怪我をしてしまった場合のリハビリなどを担当しています」と五味さんはその役割を話す。
大迫選手との出会いは、五味さんが大学院に通いながら、学生トレーナーとして活動している時。サポートにあたっていた同じ系列の大学陸上競技部に大迫選手が入学してきたのだ。自分をもっている人――。それが、大迫選手の第一印象だったという。「入学間もない1年生が練習メニューに対して、その根拠を監督やコーチに問いただしていたんです。自分をもっているんだなぁって」。以来、大迫選手が大学に在籍する間、サポートにあたり、卒業後も大迫選手からの依頼を受け、現在に至るのだという。
五味さんのトレーナーとしての強みは、怪我をしてしまった場合などに回復を図るだけでなく、競技力アップにつながるトレーニング指導を加えられること。そのため、大迫選手からは身体のケアに関すること以外に、競技力アップにつながる助言を求められることも少なくないのだという。「自分はこう考えるけど、どう思いますか、と彼は明確な根拠を求めてきます。常に課題を明確にして解決していくから彼は強いんだと思います」
五味さんの夢は世界一になる、選手をサポートすることだという。その視点で大迫選手をサポートしていくのはわくわくする日々だと。「選手の意志を第一に、私をうまく利用してもらいたいと考えています」