NPO法人「武州のよりあい」(磯沼孝理事長)による「平成最後の下原刀(したはらとう)」事業の締めくくりとなる「奉納」がきょう25日に行われる。同法人の調べによると、高尾山への奉納は1855年(安政2)以来、164年ぶり24本目になるという。
下原刀は、室町時代末期から幕末にかけて恩方地区などで作られていたとされる郷土刀。今回は、それを20年かけて研究し、現在に蘇らせた市内の刀匠・佐藤利美さんによって「平成最後」となる下原刀を作刀し、高尾山薬王院に奉納する企画。昨年から原料となる砂鉄集めや古来の製鉄法・たたら製鉄、鍛錬の見学まで、市民参加型で行われてきた。納める刀は刃渡り71・5センチ。
ケーブルカー「高尾山駅」から同院に向かう道中は法螺貝を吹く僧侶による先導があり(午前11時30分頃から)、午後1時過ぎに奉納式の予定。今後、仁王門の先にある大本坊の展示スペースに保管され、精進料理を食べる際等に見ることができる方向で調整している。
磯沼理事長は「100年後、200年後にも伝えていきたい。また郷土刀として『下原刀』があるということを知らない市民も多いので、知るきっかけになれば」と話す。