大和田町のスーパーで高校生を含む3人の従業員が銃殺された強盗殺人事件は30日(火)、発生から24年を迎える。今だ犯人逮捕の報が聞かれないなか、9年前にこの事件の捜査にあたり、八王子警察署(元本郷町)の刑事課長などを歴任してきた岩城茂警視(57)がこの3月から再び捜査現場に。指揮官として「事件を風化させたくない」としている。
事件が起こったのは1995年7月30日の午後9時15分頃。当時、大和田町4丁目にあったスーパーナンペイ大和田店の2階事務所内で、高校生2人を含む女性従業員3人が無抵抗のまま拳銃で殺害されたのだ。
国道20号線と八王子バイパスに近い、住宅や工場が密集している地域での発砲事件だったことから、発生当時、その衝撃は八王子市内だけでなく、全国的に広く伝えられた。
現場近くの車販売会社役員は「身近で拳銃が使われ恐ろしさを覚えたことを今でも覚えている。うちの何名かの従業員も警察から話を聞かれた」と事件を振り返る。
「今だ絞り込めない」
「今だ犯人像が絞り込めていない」――。それがこの「ナンペイ事件」の捜査本部を指揮する岩城警視が語る現状だ。目撃者が無く、遺留品が乏しいことから、単独での犯行か、複数犯かも絞り込めていないのだという。
「9年前から現場の刑事としてこの事件にあたって以来、解決しなければというプレッシャーを感じ続けてきた。被害者の無念を晴らしたいという思いは未だに変わらない」と岩城警視。少しでも犯人逮捕の糸口を見つけようと、これまで参考人を追ってカナダへ向かったり、拳銃の製造元をあたったりもしてきたのだという。
「毎年7月30日の被害者の命日には、捜査本部のメンバーで3人のお墓参りを欠かさず行ってきた。犯人をあげることが出来ず申し訳ない気持ちでいっぱいでいる」
懸賞金の継続決定
今月、犯人逮捕または、事件の解決につながる有力な情報の提供者への懸賞金600万円の継続が決まった。期間は1年間で、警察庁長官からのものと、捜査に協力する会からの300万円ずつの構成だという。
捜査本部では現在、事件当日の午後8時56分ごろ、ナンペイで青果など7点、1754円の買い物をし白のセダンタイプの車に乗車したカップルのほか、現場の事務所に残っていた口紅のついた吸い殻を捨てた女性を探している。
また当日、現場近くの北の原公園では盆踊り大会が開かれており、その帰りにナンペイに立ち寄った人がいないかについても調査中だという。
岩城警視は「最近は警視庁のHPを始め、ユーチューブやツイッターなどのSNSでも事件に関する情報を発信し、多くの方に事件を振り返ってもらえるようにしている。風化させないようにしたい」と話している。
事件に関わる、問い合わせや情報提供は八王子署の同事件特別捜査本部【電話】042・621・0130へ。
八王子版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|