ストローなどのプラスチックごみが社会問題となる中、少しでもその削減に取り組もうと商店会が乗り出した。狭間駅前商店会(上野和正会長)では10月から、繰り返し利用できる「リユース食器」(カップ)を導入。同会が出店するプロバスケチームの試合会場で使用している。「五輪やワールドカップでは当たり前のようです。市レベルでもたくさん使われればいいですね」と担当者は話す。
「当たり前になれば」
商店会では2016年から地元プロバスケチーム「東京八王子ビートレインズ」が同駅前のエスフォルタアリーナ八王子で試合をする際に出店し、観客らに飲食の提供をしている。それまで会場で出る使い捨てのカップなどは商店会が持ち帰り処理していた。
今年の夏、チームを通じてリユース食器を扱うNPO法人ひなげし・就労継続支援B型事業所(松木/竹内ひで子理事長)の紹介を受けた。「商店会のキャッチフレーズは『まごころをこめて』。環境にもやさしい会でありたいので、繰り返し使えるのは『いいな』と思いました」と話を聞いた会員の阿天坊(あてんぼう)佳子(よしこ)さん(黙古寿)は振り返る。
洗浄し再利用
バスケチームの試合(公式戦)は月に2試合程度行われており、リユース食器は10月の今季開幕時から利用を開始。商店会の売場でビールを提供する際に使用している。「お客さんの反応はとても良いです。取り組みをSNSで紹介してくれたり、徐々に広まっています」と喜ぶ。「ビールは『お代わり』をする方が多いので、再利用できるカップはちょうどいいかもしれません」
試合後、リユース食器は返却コーナーで回収される。商店会ではそれらをまとめ、ひなげしへ発送。ひなげしでは洗浄、減菌し、次回使用の準備をする。阿天坊さんは「ごみが減るのは嬉しい。リユースが当たり前になればいいですね」と話した。
広がり 五輪でも
ひなげしは「持続可能な社会づくりへの挑戦」として年間2万個以上のリユース食器を取り扱っている。竹内さんは「京都の祇園祭は全てリユース食器になりゴミがだいぶ減ったそう。オリンピックのパブリックビューイングも使われる方向で話が出ているようです」と今後の広がりなどについて説明した。
なお市内の商店会をまとめる八王子市商店会連合会は狭間町商店会の取り組みについて「聞いたことがない事業で感心しました」と話した。
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