南大沢駅周辺の今後のまちづくりについて、東京都らが議論を始めた。2025年度に三井アウトレットパーク多摩南大沢の敷地を含めた駅前都有地の借地契約が切れることなどがきっかけとなったと言い、都の担当者は「高齢化社会などを見据えて検討していきたい」としている。
都が駅周辺地区と位置付けるのは、駅前や南大沢4丁目のヤマザキ動物看護大学、首都大学東京を含む一帯。先月には1回目の検討委員会が開催され、都の担当者のほか、八王子市、大学教授ら有識者が参加。新たなまちづくり方針策定についての意見交換がなされた。
高齢化対策としても
都がこのタイミングで南大沢駅周辺のまちづくりについての検討を始めたのは、25年度にアウトレットの敷地を含む駅前都有地の借地契約が切れることがきっかけの1つとなっている(23年度に公募を実施予定)。また、南大沢エリア内のニュータウン居住者の高齢化、建物の老朽などに向けた対策、としての考えも都にはあるようだ。
検討委員会を傍聴した八王子選出の都議会議員は「最近、南町田で大型商業施設がオープンし、にぎわっているが、そんな周辺地域に負けないように南大沢地区を発展させたいとする意図もあると考える」と話している。
5Gの拠点に
都がまちづくり方針のたたき案として挙げる1つが、先端技術を生かしたまちづくり。同エリアには首都大学や研究施設が点在していることから、その活用が念頭にあるようだ。
ただ、具体策はこれから。さきの都議は「都が進める次世代の通信システム5Gの拠点に首都大学が選ばれた。南大沢エリアは先端技術を生かせるポテンシャルのある街」。都の担当者は多くの人が集まる、にぎわいのあるまちを目指していきたいとしたうえで「来年夏には、高齢化社会を見据えたまちづくり方針の素案を発表し、市民の意見を募集する予定」と話す。希望者は次回2月に予定されている検討委員会の傍聴が可能という。詳細は東京都のHPで発表するとしている。
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