川口土地区画整理事業の基盤整備工事が始まった。昨年12月、美山町で関係者90人を集め起工式が行われた。この事業は川口町、上川町、美山町、西寺方町にまたがる丘陵地帯に、東京都西南部の新たな「物流拠点づくり」として進めるもの。産業用地約30ha、都市計画公園約100haなどを創出する(合計172ha)。2025年度(令和7年度)の完成をめざしている。
2025年度完成めざす工業団地と公園
この事業は市の都市計画マスタープラン(15年)に基づき、地域経済の振興や首都圏物流の効率化を目的に行う。圏央道のネットワークを活かした広域物流、中継、地域配送の機能を想定している。計画面積は約172ha。南側1/3が物流工業団地に、北側2/3が自然を残した公園となる。
主体は地権者37人からなる川口土地区画整理組合(高野英男理事長)。組合ではこの事業により1800人〜2500人の雇用を見込んでいる。
計画 昭和40年代から
「昭和40年代でした。山にたくさんの団地ができると。当時は京王線が延伸するような話もありました」。上川町在住で長く地域に携り、かつては市議も務めた高野さんはそう振り返る。川口地区の活性化計画は1973年(昭和48)、日本住宅公団(当時)が、住宅団地の建設を目的に用地取得を開始したときに始まった。
だが計画はその後、たびたび変更となる。
平成に入ると市は都市型産業機能を導入する「リサーチパーク」と位置付けた(1989年)。しかし地区内でオオタカの営巣を確認、手続きが中断。2003年、国土交通省からの通知でリサーチパーク計画は中止となった。「団地に続き2度目の頓挫。期待しましたが残念でした」
2年前、市が認可
05年、財団法人八王子市住宅・都市整備公社(現一般財団法人八王子市まちづくり公社)が旧計画用地の大部分を購入。計画は一から練り直され、10年、川口土地区画整理組合設立準備会が結成された。「5年かかりましたが、設立準備会ができたのは大きな前進でした」。その後、環境への配慮など調整を続け、18年、流通業務施設の誘致実現を担う事業として市の認可がおり、川口地区区画整理組合が設立された。
「地元元気づけたい」
「始まりから40年以上になります。ようやくスタート。これが活性化につながれば」と高野さんは期待する。北西部では小学校の入学児童減少など少子化の影響が著しく感じられるそう。「雇用が創出されれば住む人も増えるはず。川口地区だけでなく八王子全体を元気づける事業にもしたい」と語った。
地元住民は「働く所ができて若い人が住んでもらえると嬉しい。このエリアには大きな公園もないので、そちらの部分も楽しみにしています」と話した。
![]() 美山町の様子
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![]() 質問に応える高野理事長
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