新型コロナウイルス感染症による影響で多くの事業者が経営に苦しんでいる。一方、国や自治体による様々な支援事業があり、上手く活用している人も少なくない。その支援事業のひとつ「小規模事業者持続化補助金」については5月にあった第1回採択で、市内から15事業者が公表された。当事者とそのサポートをする八王子商工会議所に話を聞いた。
小規模事業者持続化補助金は販路開拓に努力する事業者向けの制度で、事業者が経営計画に基づき実施する拡大の取り組みについて原則50万円を上限に補助するもの(補助率2/3)。
堀之内にある理容店「ZEAL」のオーナー相馬雅和さん(46)は今年3月、同業者から情報を得て補助金を申請した。
相馬さんによると当時はまだ「コロナの全容」が分かっていない状況だったが、「先々の不安を考え」申し込んだそう。その後国内で感染が拡大し、緊急事態宣言が発令され4月13日から店舗は1カ月ほど休業することに。実際理容店への休業要請はなかったが、スタッフの健康面を考慮し、休むことにした。
段差なくし新規獲得へ
4月は売り上げが前年比50%に落ち込んだが、5月以降は取り戻しつつある。ただ、この先も不安は拭えない。少子化に伴う消費者の高齢化を鑑み、対策にと店舗のバリアフリー化を検討。補助金はその目的で申請したものだ。7月9日、工事を終え段差をなくし、車椅子も対応できる店内に改装。コロナ対策として入口に換気のための網戸を付けた。「学生が減っている印象がある。これからは高齢者の方も対象にずっと来てもらえる店にしたい」
なお申請は2回目まで終わっており今後10月に第3回の締め切りがある。1回目の採択は相馬さんの店舗を含め市内から15事業者あった。ただ、数千はあるという市内の事業者数を考えると、決して多い数とは言えない。最大200万円が給付される「持続化給付金」に比べ認知度が低いのも一因のようだ。
知らない人多い
「まず、知らない人がたくさんいる。自分は商議所の会員だったのでメール等で知ることができました」。そう話すのは空調設備業「アーバン空調株式会社」(下恩方町)の本村千賀さん。同社も15の事業所のひとつ。コロナ対策のための新サービスの取り組みとHPを利用した販路拡大の内容が採択された。
同社はこの案件も含め今年度は合計8つの補助金等に申請している。その理由について、本村さんは「働く環境を整えたいので。我々のような零細企業は通常の粗利ではそこまで余裕がなく、補助金等を利用すれば実現できる」と話す。ただ、同業の間では、その手間からか申請まで行き届かない所も多いそう。「できるなら絶対やった方がいい。自分たちは過去に採択されなかったこともある。ダメならまたチャレンジすればいい」
若い人の相談増
商工会議所、商工会は相談の受付と確認した証明書の発給をする業務を担っている。八王子商工会議所の担当者は「最近は40代など若い事業者からの相談が増えている。必死であり、情報に敏感なのだと思う。しっかりサポートをしたい」と話した。
八王子版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>