緊急事態宣言を受け、4月8日から休館や利用制限をしてきた市内に9つある図書館のほとんどが7月1日から座席使用も含めて午後5時まで利用できるようになった。8月からは開館時間の延長や自習室の利用などサービス拡大を検討している。
6月15日から書架に入れるようになったものの、通常のサービスはできない状態が続いてきた。まだ通常通りには戻っていないものの、利用者からは「ありがたい」「早く通常に戻ってほしい」という応援の声が寄せられている。
現在の開館時間は全館で午前10時から午後5時まで。新聞、雑誌などの閲覧ができ、展示室と会議室の利用(中央図書館のみ)が可能。一方、座席数が制限されているほか、密を避けるために滞在時間は1時間を目安としている。なお、北野市民センター図書館は空調機の故障で予約資料の受け取りなど一部サービスのみの提供となっている。
消毒器を導入
7月1日から図書消毒器を中央、生涯学習センター、南大沢、川口の4館で導入した。本を入れてボタンを押すと、紫外線によって30秒ほど殺菌。送風によってページの間に挟まったほこりなども除去できる。生涯学習センター図書館の新納(にいろ)泰隆館長は「利用者に少しでも安心してもらえるように」と導入した理由を話した。1日に各館で30〜40人ほどが利用しているという。「来館時のマスク着用と、本の利用前後の手洗いをお願いしたい」と個人での感染症対策も呼び掛けた。
伸びる電子書籍
「図書館は常に一定数の本が貸出されているのが通常だが、この間、貸出数が減っていたため書棚に入りきらない本がある。こんな光景=左写真=は初めて」と新納さん。そんな休館の影響がある一方で、電子書籍の利用は前年比の5〜7倍ほど伸びた。コンテンツ数は約1万件。多摩地域では2年前から開始し、まだ全国的にも多くはないという。市内に在住・在勤・在学で八王子市図書館の利用カードを持っていればパソコンやスマートフォンなどから閲覧できる。「非来館型で、新しい生活様式の1つなのかもしれません。今後充実させたい」。6月からはオーディオブックの配信も開始した。
高尾山の花の本などを書いている大和田町在住の遠藤進さんは、調べもので月に2〜3回ほど図書館に通っていたという。再開、サービスの拡大については「目的の本以外にも新しい発見があるので、滞在できるのはありがたい。八王子の図書館には地元のコーナーがあり、通常では手に入らない資料もある」と喜んでいる。休館中も館内に入らずに本を受け取るサービスを利用していたそう。「郵便局で本を返却できるなど便利なサービスもある。多くの人に知ってほしい」と話す。
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