今年も台風シーズンが到来となる。八王子市においては昨年10月、台風19号(東日本台風)により、初となる大雨特別警報が発表され、様々な被害が出た。そこでの教訓を踏まえた対策について、市生活安全部防災課に話を聞いた。
市防災課に聞く
昨年10月大きな被害
2019年10月12日、台風19号(東日本台風)が東京都を通過した。八王子市は山間部だけでなく市内の様々な箇所で土砂災害や浸水害、河川の護岸崩落・堤防の決壊といった大きな被害が発生した。
期間中、対応にあたった市防災課の菅野英之課長は当時を振り返りつつ、教訓として「伝達手法のあり方」をあげた。
状況 データ放送でも
市内各地に設置されている「防災行政無線」は台風の際、強い風の影響でほとんど聞き取れない状況だった。家は雨戸を締め切っているため、その中で聞き取ることも難しかった。
情報を求めた人たちは市のホームページにアクセスしたが回線が混み合い、画面がうまく表示されなくなった。市では臨時の電話を設け、対応した。「防災情報は無線やホームページだけでなく、メール(要登録)、あるいはテレビでも得ることができます。テレビはNHKのデータ放送(dボタン)です。あらかじめテレビに登録された郵便番号をもとに、災害時にはデータ放送のリンクが自動で表示されます」と菅野さんは複数の手段を用意しておくことの大切さを話す。日頃から、いざというときに備え「dボタンを押して操作に慣れておく」ことを勧めている。
なお市への問い合わせで多かったのは避難所についてだ。「どこへ避難すれば」と迷う人が少なくなかったそう。
どの程度で避難?
台風対策について、市がこのほど全戸配布した総合防災ガイドブックを参考に、菅野課長に話を聞いた。
-台風が訪れる前の対策は
「強い風に飛ばされないように、ベランダや家の周りにある植木鉢や物干し竿など、飛散の危険があるものは収納してください」
-避難場所の確認も必要
「どの程度で避難するかを知っておくことも大切です。昨年の際は合計840人の方が避難されました。ただ、家が高台にあるなど避難の必要がない人も中にはおられました。後になって、なぜ避難したかと訊ねると『不安だったから』とのことでした。ガイドブック(11ページ)に避難行動判定フローがあるので参考にしてみて下さい」
-避難所においては
「避難所に必要なものが全て揃っているわけではないので、水分など自分で用意できるものは持参してきてください」
-台風が近づいてきた際は
「まず正確な情報の把握を。手段についてはガイドブック(4、5ページ)に詳しくあります。注意してほしいのがSNS上の情報です。昨年、『避難所が土砂崩れになった』などの噂が流れました。実際その近くで土砂崩れはありましたが、避難所は無事でした。又聞きで内容が変わっていったのだと思います」
撮影忘れずに
-危険な場所へ行く人もいたようです
「昨年、テレビ局が河川の取材に訪れており、その場に足を運んだ方もいました。大変危険な行動です。また、もし避難が必要となった際は早めの行動を。昨年は朝8時に避難勧告を出しました。台風のピークは午後9時くらいでした。夜になって『怖くなり』避難された方もいらっしゃいました。危険なので、なるべく早く動いていただきたいです」
-台風が去ったあとは
「ぬかるんだ地盤に注意を。事故につながるかもしれません。また、住宅に被害があった場合、それを片付ける前に写真を撮っておいてください。浸水の跡なども。保険を申請する際、必要となることがあります」
ブック活用を
-市民の方へメッセージをお願いします
「とにかく防災は日頃からの備えが大切です。ガイドブックを活用していただければと思っています」
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