工学院大学附属高等学校(中野町)3年の仲野想太郎君(調布市在住)が先月発表された「日本生徒会大賞」で優秀賞を受賞した。附属中学の1年生時から生徒会に所属し、中学、高校とも生徒会長を務めた。「活動の時間不足」などの課題を、ICT(情報通信技術)ツールを活用することで解決に導き、そのリーダーシップを評価された。仲野君は「受賞はとても嬉しい」と笑顔を見せた。
課題解決 リーダーシップを評価ICT積極利用
日本生徒会大賞は一般社団法人生徒会活動支援協会(中野区)が主催するもので、2017年に始まった。全国の学校生徒会、生徒会団体、生徒会役員を対象としており、その活動を評価し活性化させることを目的とする。8月11日、今年度の個人、学校、団体の部のそれぞれ大賞、優秀賞、特別賞、奨励賞が発表された。
仲野君は個人の部で自薦し、優秀賞を受賞した。評価内容について同協会は「多くの生徒会においても課題となっている活動の時間不足や役員間の役割分担に対し、スラック、エドモドなどのICTツールを積極的に利活用し、効率性を向上させたリーダーシップと取り組み」としている。また「コロナ禍においてズームを活用すると同時に会議の手法を根本的に見直すなどオフラインについても新たな取り組みをした」ことも挙げている。
「何やってんの?」
受賞をメールで伝えられた仲野君は「とても驚いた。これまで『生徒会って何やってんの?』と言われることもあり、そんな中、5年間ずっと努力してきたので評価されて嬉しい」と話した。仲野君が入学した2012年はちょうど生徒全員にアイパッドが配布されるなど、学校がICTに力を入れ始めた年。学校側は「その成果が出たのでは」と受賞を喜んでいる。
仲野君は学校の雰囲気が気に入り同校へ進学した。生徒会には「ノリで入った」そう。ただ、活動し出すと想像していたものとは少し違ったようだ。
中高一貫校であるため、高校生徒会の働きが大きく、「会ったことはないが、仕事はやってくれる」存在だったそう。もっと主体的にできないものか、と仲野君は中学2年の副会長時、積極的に動き始めた。それまで「自分たちまで資料が回ってこない」ような事例もあったが、それを「覗き見する。もらいに行く」などと活発に行動するようにした。
文化祭で成果
中高とも生徒会のメインイベントは秋にある文化祭。仲野君はここで大きな成果を残した。
中学の会長だった際の文化祭では地域貢献にと、近隣の保育所に声をかけ園児らを招いた。初めての試みは「夏休みが全部潰れた」ほど苦労をしたが、子どもたちの喜ぶ姿は今も鮮明に覚えている。「これを機に高校生の会とも関係が深まり風通しが良くなりました」
高校の会長の時は、運営にあたる生徒のために、開催2日間の「間の時間」に中夜祭を企画した。「後夜祭がなく、生徒が文化祭の期間中、来場者と同様に遊んでしまっていた。生徒が楽しみたい気持ちもわかるので、その時間を作りました」
いずれも評価が高く、取り組みは後輩に引き継がれている。「何やってんの?」と訊ねられた際、仲野君は文化祭の実績を話すそうだ。
全体把握に努める
リーダーシップについて仲野君は「人に押されて身につくもの」と話す。常に全体を見渡し、個人の能力の把握に努めている。200人はいる同級生と「話したことがない人はいない」というほど「フレンドリーな性格」。将来の夢は「人のためになる仕事に就くこと」。学校担当者は「本校からの受賞は仲野君が初めて。本当におめでとう」と話した。
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