15歳から39歳までの若者及びその家族のための相談施設「八王子市若者総合相談センター」(明神町)が、11月4日(水)にオープンする。市による若者相談施設はこれまで就労、立ち直り支援など限定的だったが、今回の相談センターでは教育、福祉、保健など複数分野にわたって「総合的」な支援を行う。
案内窓口として
相談センターは、福生市に本部を置くNPO法人青少年自立援助センターが運営する。同センターは市内で就労支援機関である若者サポートステーションなどを運営している。
新設される相談センターの特徴は、幅広い分野の専門機関への紹介が可能であること。就職についてやひきこもりなどの課題に対し、キャリアコンサルタントや公認心理師など専門相談員が対応したのち、相談者の社会復帰に適切な「次の居場所」へとつなぐ。担当者は「市内の機関のみならず、都の機関や、病院などの紹介が可能」だと話す。
相談者一人では課題の解決策が何にあたるのか、適切な相談機関は何なのか、判断できない場合がある。そのような人を対象とした、「相談機関への案内窓口」だといえる。
義務教育の後
想定される対象者は、義務教育終了後、ひきこもり状態や、発達障害の悩みなど、社会的に孤立した状況にある若年層。担当者によると、中学3年や高校3年の後半に不登校になった場合、その後の支援を引き受ける団体がこれまでなかったという。そのような層に対して、支援を継続的に行うことも目的とする。
「周りの協力必要」
「25歳の男性は支援開始から約3か月、正社員として製造関係の企業に就職することができました」。同NPOの理事長の河野久忠さんは、市内での就労支援における過去の例を説明する。男性は就職活動の不調から卒業後、自宅でひきこもり状態に。保護者からの相談を受け、河野さんは訪問支援を実施。面談をはじめた当初は「緊張が感じられた」というが、何度も繰り返すうちに職場見学、職場実習などでも経験を積めるように。徐々に自立へと向かったそう。河野さんは「『生きずづらさ』を抱えた人は、周りの協力や、家族の理解が必要」と話した。
相談センターでは当事者だけではなく、保護者らからの相談にも対応する。市は2022年度までに年間利用件数1000件を目標とする。
相談は電話、ホームページ、ラインによる予約制。電話相談も対応する。問い合わせは【電話】042・649・5660へ。
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