気になる「農業男子」に投票する試みが実施されている。JA東京グループによるもので、インターネットで受け付け、3位までを「広報大使」に選ぶ。JA八王子からは川口町の河井豊さん(35)がノミネートされた。投票は12月15日まで行われる。
ファン増やしたい
事務局を務めるJA東京中央会では「東京に畑があることや、若い農家もいるということを知ってもらい、地場産のファンになってもらえれば」と企画の目的を話す。都内に14あるJAの中から1人ずつ代表者が選ばれている。
投票を受け付ける特設サイトでは、ファッション誌を思わせるような撮り方で、仕事中の姿とオフショットを掲載。投票順位はリアルタイムで入れ替わるようになっており、11月5日時点で河井さんは4位。投票は全国から可能で、12月15日まで。
投票した人は抽選で商品券などがもらえる。
「性格明るい」
JA八王子青壮年部から推薦があったことと、八王子の地元ブランドとして売り出し中の果実パッションフルーツを生産していることから、川口町の河井さんに白羽の矢が立ったという。八王子パッションフルーツ生産組合の石川耕平組合長は河井さんを評して「性格も明るくて人当りもいい。ぜひ広報大使になって東京中に八王子のパッションフルーツをPRしてもらえれば。1位を目指して」と話す。
元塾講師
河井さんは市内のパッションフルーツ生産農家としては最若手だ。生家は川口町で代々農家を営んでおり、河井さんは8代目になる。学生時代からストリートダンスをしたり、バンドを組んで音楽活動をしたりと「人前に出ることはちょいちょいやってました」と笑顔で話す。
就農する前は、塾講師をしており、おもに中学生を相手に理科と数学を教えていた。「子どもと接するのが楽しかった。24時間、子どもや授業のことを考えていた」
27歳で家業を継いだ。「野菜って、土に植えられているものなのに、長雨の後に泥が付くと、そこから病気になったりするんです。案外弱いというか」。しかし、そんなところが「かわいい」と表現する。「頑張って生きているんだなって」
孤独でない
「やってみる前は、農業ってもっと孤独な仕事だと思っていた」と河井さん。しかし実際には、農家同士での交流も少なくないという。直売所では消費者とも触れ合う。「特にパッションフルーツは、先輩農家や商工会議所、JAなどと密に連携している。活動自体が楽しい」と話す。
「将来的には練馬の大根のように、八王子と言いたらパッションフルーツといわれるようにしたい。『地元の名産をこれから作っていくんだぞ』という思いがあります」と意気込んでいる。
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