市内在住のギタリスト、田川ヒロアキさんによる生配信ライブが11月28日(土)に開催される。台町のスタジオ「オルウェイズ」での演奏をリアルタイムで観ることができる。田川さんは盲目でありながら「超絶技巧」のギターテクニックで知られている。
ベースはハードロック
ハードロックの要素をベースにロック、ポップ、クラシックなどのジャンルを駆使し、洗練されたギターサウンドを奏でる。ライブ活動はもちろん、CM、テレビ番組、教育機関への楽曲提供や講演活動も展開する。一方で昨年からは音声識別メガネ「ダイナグラス」の開発に携わっている。
田川さんは山口県下関市の出身。先天的な視覚障害があり、13歳で完全に視力を失った。
5歳の頃からピアノを習っておりギターは13歳のとき、手にした。ラジオから流れてきたハードロックバンドKISSのギターフレーズに心を奪われたことがきっかけという。
譜面は読めないが「絶対音感」を持っているため、ピアノのレッスンでは音を耳で聴いて学んだそう。ギターにおいてもその経験を活かし耳でコピーし練習をした。また、ギターを演奏する姿自体を見たことがないため、「ネックを逆から握る」独特のスタイルになった。
恩師辿り八王子へ
八王子へ来たのは12年ほど前。上京を決めたのは、現在の活動のきっかけを作ってくれた恩師の「そばへ行こう」と思ったからだ。
その恩師とは八王子市内在住でヘビーメタルバンド「ラウドネス」のボーカル、二井原実さん。二井原さんは盲学校を卒業し山口でプロを目指し活動していた田川さんの存在をインターネットで知り、声をかけた。障害のことは知らず、その演奏を評価しライブやレコーディングに誘ったそう。それが田川さんの今の活躍につながっている。田川さんは八王子について「駅前は賑やかで、少し離れると閑静な雰囲気になる。いい街だなと思いました」と話す。結婚も期に、夫婦で移り住むことにした。
現在の活動はライブとレコーディングが半分ずつ程度。ライブについてはコロナ禍で計画していたツアーがほとんど中止となった。そんな中、ライブ配信も積極的に実施してきており「ライブ会場と違って、配信は画面で観ていただくので、演奏や表情がより詳しく伝わる。おかげさまで演奏力のアップにつながります」と笑って話す。「なかなか訪れることができない地方の方に観ていただく機会にもなっており、その点はとても良かったと思います」とも。
今回のライブ配信は午後8時開始。チケットは3000円。申し込みは下記のQRコードから。40〜50分の演奏を2ステージ予定している。
なお12月19日(土)は町田市でライブをする。
悩み 隠さずに
ハンディキャップについて田川さんはこのように話した。「例えば点字ブロックや多機能トイレなど、誰かの『困った』があってできたものだと思う。だから悩みはどんどん表明していくべき」「障害を持っていたり闘病していたりする人は『困っている』『助けてもらいたい』ということを周りの人達にもっと伝えたらいいと思う。絶対聞いてくれる人がいるはず。表明することでこの先の霧が晴れる」「八王子は福祉に優しい街だと思う。白杖を持って歩いていると声をかけていただくことがあるが、他の街と比べて八王子はその回数が多い気がする」「そんな優しい街だから、悩みを理解してくれる人も少なくないと思う」
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