「高尾山の主」ともされる大本山高尾山薬王院の最高位「貫首(かんす)」に薬王院執事を務めていた佐藤秀仁(しゅうじん)僧正(50)が就任した。12月7日、高尾山の参道で「お練り」を披露したのち、本堂で就任のための「入山式」が執り行われた。
大山大僧正の後任
貫首の交代は27年ぶり。佐藤新貫首は「第三十三世」となる。
佐藤新貫首は1990年、大本山成田山勧学院を卒業。同年、高尾山薬王院に入山した。「自坊」は狭間町の高楽寺で2003年から住職を務める。一方、奉仕団体への所属やメディアへの登場などで、市民の間では親しみのある存在である。
前任の大山隆玄(りゅうげん)大僧正(86)は1993年に貫首となり、27年間にわたり「お山の発展」に貢献した。今年12月1日、第三十二世を退任した。
佐藤新貫首は大山前貫首の直弟子。
当日は山麓から薬王院にかけて、お練りが披露された。参拝者らが歓声をあげると、佐藤新貫首は笑顔で応じるなどした。入山式は本堂で行われ、その後、法要をし佐藤新貫首は「歴代貫首の精神を受け継ぎ、高尾山を愛する心を大切にしたい」などとあいさつした。
「50歳で立派」「再興に期待」
佐藤新貫首について市内の経営者は「もう『しゅうじんさん』と呼べないね。いずれ貫首になられるとは思っていたが、50歳でなるとは立派なもの。筆頭総代も40代と若く、これからの高尾山がとても楽しみ」と喜んだ。薬王院筆頭総代の落合龍太郎さん(44)は「こういったコロナ禍の中、今後のお山はどうなっていくのか?信仰心や宗教観はどう変わっていくのか?わかりにくい状況でもありますが、佐藤新貫首ならその叡智、山伏で鍛えられた体力をもって乗り越えていけるものと思っています」と話した。また「多くの方々にもっとお詣りに来て頂けるよう、高尾山の再興に期待しています」と話した。