地元劇団と八王子芸者衆による共演が実現した。元八王子町を拠点に活動する劇団「新制作座」による舞踊劇「雪の曲」に2人の芸者が出演。作品は昨年末に収録され2月1日(月)からインターネットで配信される。
2月から DVDも
出演は新制作座の眞山蘭里代表と置屋ゆき乃恵のめぐみさん、菜乃佳さん。制作は同劇団の小津和知穂さんが担当した。主催は文化庁と映像制作会社「株式会社ピラミッドフィルム」(港区)。
新制作座は70年以上にわたり国内外での上演実績があり、一方、八王子芸者衆は明治時代から地域に残る伝統芸能の継承に努めている。両者による共演は初となる。今回収録された「雪の曲」はきこり、さぎ、さぎの子の3者による親子の関係を題材に、「情愛の世界」を描いたもの。
着物がきっかけ
きっかけは「着物」だった。元八王子町にある劇団の施設には、舞台衣装に使用するなどした着物がおよそ1000着以上ある。一昨年、そのコレクションを見学に着物研究家の中谷比佐子さん(秋桜舎)が訪れた。中谷さんはその数はもちろん、質の高さにとても驚いたそう。一方、中谷さんは着物を通じて八王子芸者衆のめぐみさんと交流があった。中谷さんを介して劇団のことを知っためぐみさんは同年夏、初めて同劇団の舞台を観覧した。
そんな中、「共演」の声を掛けたのが同社の長谷川靖さん。長谷川さんはめぐみさんと親交があり昨年夏、中谷さんの紹介で同劇団についてを知った。「せっかく同じ地域で活動しているのだから」と小津和さん、めぐみさんに打診。コロナ禍で劇団、芸者衆とも発表の場が少なくなっている中、「映像という形で多くの方に観ていただくのはどうか」と持ちかけた。
今やれることを
「芸者さんが芝居?どうやったらできるかしら?」。話を聞いた小津和さんは当初戸惑った。ただ、眞山さんが名取であるなど劇団、芸者衆ともお互い「日本舞踊」に通じていることがわかり、ある作品を提案した。それがおよそ50年前、劇団がブラジル公演の際に用意した「雪の曲」だ。
海外公演用に書き下ろしたもののため、言葉がわからなくても伝わるよう台詞は少ない。たまたま過去の動画が残っており、それを元に練習もできる。小津和さんは「この時期にやれることをやろう。芸者さんのいいところを引き出せれば」と返事をし、めぐみさんらと9月から稽古を開始した。
収録は12月20日、市内で行われた。「めぐみさんはとても気持ちの良い方。まわりの芸者さんも謙虚で、ひたむきに練習し、さすが芸で生きる方々なのだと思いました」と小津和さん。めぐみさんは「きこり役の眞山さんは本当にきこりにしか見えませんでした。役者さんはやはりすごい。エネルギーを感じました」と現場での感想を話した。また、小津和さんは「いずれ生の舞台でやりたい」とコロナ終息後に期待を寄せた。
文化の一端知って
配信は「観劇三昧」という演劇動画配信サービスサイトで2月26日(金)まで行われる(視聴には登録が必要)。3月にはDVDとして販売される。長谷川さんは「豊かな文化が育まれている八王子。先人たちの長い伝統によって培われた着物、芸妓、演劇の一端を知るには最適な作品です」と話した。
![]() 新制作座の「着物部屋」(右)と所有する着物=提供写真
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