市内北部の高月地区では昨年からイノシシなどの「獣害」が増えている。市によると2019年が通報2、捕獲3だったのに対し昨年は通報7、捕獲11と大幅に増加した。農作物の被害にあう農家もおり、そのような状況の解決にと昨年11月から民間企業も加わった対策チームが活動をしている。
農家「いなくなって」
獣害による農作物の収穫ロスは全国的な課題となっており、そのための収入減から、中には農業を辞めることを考える人もいるそう。市内では高月地区において昨年来、これまであまりなかったイノシシの出没が相次いでおり、田や畑を荒らす被害が報告されている。
そんな中、獣害対策にのり出したのが八王子市と八王子商工会議所による産業活性化組織「サイバーシルクロード八王子」(明神町)だ。同団体では八王子農業を支援する取り組みも続けていることから、生産者らの力になれればと支援を申し出た。昨年11月、民間企業を含めた対策チームを発足させた。
チームがまず始めたのが実証実験。イノシシの行動を把握するため高月町、丹木町の畑にセンサーカメラを設置した。
映像で確認
1月26日にあった会議でその報告が行われた。カメラは暗闇の中で動くイノシシの姿をとらえた。1月上旬の夜、数匹が丹木町の畑に現れ、仕掛けた餌に近づく様子が残されていた。「このような映像の記録は初めてかもしれません」。チームに協力する市の担当者はそう話した。チームメンバーは「なかなか餌を食べない。特に人が触ったものには全く反応しなかった。想像以上に警戒心が強い」と感想を述べた。
チームでは今後、カゴの設置やGPSによる追跡なども検討している。農家の1人は「本当に早くいなくなってほしい」と切実に訴える。メンバーは「獣害によるロスを減らし、農業を絶やさないようにしたい」と話す。
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