公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団の理事長を務める 村松 眞貴子さん 国分寺市在住 64歳
声の力で心を動かす
○…昨年6月、財団としては初の女性理事長に就任。組織運営の経験もない上、コロナ禍での打診に戸惑いもあったが「八王子の発展に役に立つなら」と決断した。元NHKキャスターである自身のキャリアを生かし、施設職員をインタビューをするPR動画を作成。職場での明るい挨拶は場の雰囲気を華やかに。「声の持つ力」を発信している。「コロナ禍であっても、心の距離は近づけていきたい」。それが掲げる基本方針だ。
○…大和田町出身。小学生のとき、先生から下校放送を褒められたことからアナウンサーを志した。ローカル局を経てフリーとなり、NHKの番組を担当。生放送中、涙してニュースが読めなかったことがある。アウシュビッツ強制収容所の子どもたちが描いた絵画の展覧会の紹介で感情移入してしまった。「プロとして失格」。だが、放送後「自分と同じ気持ちでニュースを読んでいることに感激した」という電話が番組へ殺到した。「喜怒哀楽を言葉に乗せる大切さ」は、視聴者から教わったという。
○…講演や執筆活動など、多方面で活躍する。「孫のお世話も含めたら休みはないかな」。話し方を指導する講座を月に7講座。伝えるためには「表情が6割」とか。マスクで顔が隠れてしまう今は「身振りや手ぶりを加え、とびっきりの笑顔でね」。マスク越しにも伝わる微笑みで語る。
○…先月、財団主催で開催した3・11をテーマにする講演と朗読会は自らが企画し出演した。「被災地へ心を寄り添えれば」と財団としては初の試み。すぐに定員に達し、来場者から講演に感謝する声が届いた。「共感することは心のビタミンになる。今後もそんな企画ができれば」と、来年迎える財団の節目に向け、今から検討中だ。
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