由木地域で歌い、踊り継がれてきた「由木音頭」が動画共有サイトYouTubeで公開されている。動画は八王子市が地元住民と協力し制作した。新型コロナウイルス感染症の影響で夏祭りが中止になり踊る機会が減少する中、「音頭を残していくため」と担当者は話す。
昭和40年代に誕生
♪武蔵由木村 おかいこどころ まゆの山から〜月が出る ホンニ、ソレソレ、月が出る―。由木音頭は地元にゆかりのある2人により昭和40年代に作られた。当時、由木地域の近くでは多摩ニュータウンの造成が進み、街並みが変化していったことから「ふるさとへの思いを盛んに盛り込んだ」とされている。楽曲は12番まであり、由木にあった11の村の紹介がされている。
忘れられるかも
この地域の夏祭りではお馴染みの由木音頭。ただ、昨年はコロナ禍で祭りは軒並み中止に。今年も見送られる可能性がある。そんな状況下で「歌や踊り方が忘れられてしまうかもしれない」と危機感を抱いた市生涯学習センター南大沢分館のスタッフが映像で収めておこうと考えた。今年2、3月に収録が行われ5月から同センターのウェブ講座として公開されている。踊りは地元の朋友会が担当した。
「これを見て身近なものに感じてもらえれば」。そう話すのは由木音頭の伝承に力を入れる平野雄司さん(82・絹ヶ丘在住)。今回公開された動画の中で、由木地域の歴史などを紹介している。「地名や地域の様子を広く知ってもらいたいですね」
一緒に踊って
動画は「見やすいよう」(同館スタッフ)3部構成となっている。YouTubeで公開したのは「誰でも見ることができる」「インターネット上に残る」長所から。同館では「歌や振り付けを覚えていただき、ぜひ一緒に踊ってもらいたいですね」と期待する。
由木音頭は由井第二小学校の校長を務めた伊東文夫さんが作詞し、由木中央小学校の校長だった鈴木猛さんが作曲をした。海堂玄太さんが歌い、カセットテープなどで発売された。踊り方については現在、残っている資料が見当たらず、「踊り手の方が受け継いでいる」ものという。
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