八王子の歴史文化で構成されたストーリー「霊気満山 高尾山〜人々の祈りが紡ぐ桑都物語〜」が日本遺産に認定されてから19日で1年を迎えた。コロナ禍という状況で観光振興は足踏みしているものの、地域の人に地元の歴史を感じてもらう取り組みが進んでいる。
「コロナ禍は市外からの集客やイベント開催という点では損失だったが、地域の人が身近な文化に興味を持つことにはつながったのかもしれない」と市の日本遺産推進担当は前向きだ。構成文化財の一部である八王子城跡や絹の道資料館の入場者は例年に比べて「それほど落ち込んでいない」ことから、都県をまたぐ移動が減った分、地元の人の訪問が増えたと分析している。
市では現在、市民が文化財に触れる機会を増やす施策を実施している。中心市街地の安らぎの空間として昨年中町に作られた「まちなか休憩所 八王子宿」では、4月から定期的に八王子芸妓が演舞披露や八王子花柳界の文化解説を行うなど「日常の中で日本遺産を感じてもらえる場所」となってきている。
アプリでも
5月からはスマートフォンアプリ「桑都物語音声ガイド」もリリースされている。これはGPSやビーコンを利用したもので、高尾山や八王子城跡といった日本遺産の場所に行けば、説明画面や動画が見られるというもの。英語・中国語・韓国語にも対応。アプリを使ってもらうことで説明のためにガイドが接近する必要がなくなり感染症対策になるほか、外国語対応のスタッフがいなくても案内が可能になるメリットがある。
アプリを開発したのは堀之内にあるICT企業(株)夢現舎。これまでにも、八王子まつりで山車が近づくと自動的に情報を表示するアプリなどを手掛けたほか、八王子日本閣のショートフィルム映画祭などにアプリを提供している。
なお、「桑都物語音声ガイド」は、市内観光以外でも有用。飯田公司社長によると、同社の同じ仕組みを利用したアプリと共有することができ、このアプリをインストールしておけば、小田原城や東京タワー、浅草などでも同様に現地の情報が表示されるという。
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