高尾紅葉台自治会(狭間町)を走る自治会運営の循環バスが、コロナ禍による乗客減少で存続の危機に瀕している。「このままだと2〜3年以内に継続できなくなるかもしれない」と関係者は頭を抱えている。
数少ない自治会営
「私の家から高尾駅まで2キロ強。高低差があるので、歩くと冬場でもコートを着ていると汗をかくほど大変」。そう話すのは同自治会循環バス運営委員会委員長の片桐亮さん(60)。造成された約40年前から『いずれバスが来る』と聞いて家を買った人もいたそうだが実現せず、自治会でバスを運行するようになったのは2002年の10月から。運行を委託しているのは(株)高尾輸送サービス(館町)。日曜、祝日、年末年始を除いて1日23便を運行(土曜は減便)し、約550世帯の住民の貴重な足となっている。
市の交通企画課は「これだけの規模で自治会営でバスを走らせているところは、他に例がないのでは」と話す。
運行当初は赤字が続いたものの、「お試し乗車券」を発行して便利さを知ってもらうなどの工夫が奏功し、近年では収支が安定していたという。
しかし、コロナ禍で風向きが大きく変わった。最盛期で約200人が乗車していたのが、現在は130人ほど。「外出自粛やリモートワークが影響しているのだと思う」と片桐さん。昨年度は410万円のマイナス収支。市の緊急的な支援でマイナス分を圧縮し、残った分はこれまでの余剰金(黒字分)で賄った。谷口充生会長(65)は「バスの危機を聞きつけた人が匿名で寄付を下さったりと、非常にありがたかった。高尾輸送サービスさんからの温かい支援もいただけた」と話す。
ただ、現状が続くと、年間で200万円程度のマイナスになる見通しだ。「このままだとと2〜3年で継続できなくなります」と片桐さん。
一方で、コロナ以前の18年度からマイナスに転じていたことから、コロナだけが問題ではないと谷口会長。「少子高齢化で、通勤・通学する人が減っている。長期的な課題」とし、今後、秋までに何らかの対策をとりたいと話している。
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