上杉謙信公が所用した「色々威(いろいろおどし)腹巻」を再現した甲冑が7月6日、八王子城跡三ッ鱗会より高尾山薬王院に奉納された。薬王院のご本尊「飯縄大権現(いづなだいごんげん)」は、武将の守護神として謙信公からも信仰され、兜の飾りに使われている。
1年半かけ制作
奉納したのは手作り甲冑講座などの活動をするNPO法人八王子城跡三ツ鱗会(金子信一理事長)。同会の活動を知った薬王院が「謙信公の甲冑を作れないか」と2年ほど前に相談し、同会の木村隆太さんが1年半かけて制作した。
当日、護摩修行の後行われた奉納式に同会会員25人が出席。佐藤秀仁貫首が「戦国時代、謙信公は国を守る覚悟を決めて甲冑をつけたと想像できる。ご寄進いただいた甲冑は、困難に立ち向かうための覚悟を表していると受け止め、後世に伝えていきます」と感謝を述べた。金子理事長は「寄進できて良かった。高尾山とご縁ができたことを嬉しく思う」と話した。
甲冑を制作した木村さんは6年前から趣味で甲冑づくりを行っている。今回、甲冑を構成する小札と呼ばれる板3000個はすべて手作り。鉄板は兜60枚、鎧700枚を使用している。前立て飾りの飯縄大権現は、雑誌を参考とした。粘土で成形し、石膏で型をとり、エポキシパテで作った。木村さんは、「まずまずのいい出来に仕上がったと思う」と話した。
甲冑は薬王院の方丈殿に展示されている。
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