新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、都では入院待機となった患者を一時的に受け入れる「TOKYO入院待機ステーション」を8月24日、椚田町の永生病院に整備した。同様の施設は葛飾区の病院に続いて2カ所目。
入院待機者対象
入院待機ステーションは、受け入れ可能な病院に入院するまでの宿泊療養施設。基本的には入院のめどが立っている人が対象となり、想定している滞在期間は1泊2日が前提だ。
「入院」ではないものの、永生病院(医療法人社団永生会)に設置された「ステーション」では看護師が24時間常駐し、酸素投与と投薬、血中酸素飽和度、心電図のモニタリングを行える準備がしてある。必要な場合は医師が「往診」という形で対応する。
都内では8月26日時点で新型コロナの確保病床数5967床に対して入院患者が4156人おり、入院・療養調整中の人は1万377人いる。「通常、医師が判断すれば即入院となるので、本来は世の中にないカテゴリー」とステーションについて都保健福祉局の担当者は話す。「入院をする前の段階から、1日でも早く医療の範疇に入れる」とそのメリットを話す。あくまで「入院」ではないことから「医療提供」ではなく「医療の範疇」という表現に留まったが、そこには「入院できない間でも、少しでもケアをしてあげたい」という考えがあるようだ。
患者と交わらず
永生病院は、組織改編の途中で、たまたま使っていない病室があり、そこを転用してステーションにあてた。16床を用意(2人部屋×8)し、ナースコールを設置。食事は弁当が用意される。常駐する看護師2人は同病院のスタッフではなく、派遣職員。感染症対策としてレッドゾーンとグリーンゾーンに分けられており、入室の際には防護具を着用する。コロナ病床と同レベルの対策で、入口も通常とは別にあり、通常の患者と交わることはないという。同局では「空いている病床があるだけではなく、実際にコロナに対応できる病院である必要もある」と永生病院が選ばれた理由を挙げる。
1日目から受け入れ
スタートした8月24日、1人目の患者が搬送されてきた。同法人本部広報連携室の坂野隆一郎室長は「脱水状態でしたので、医師の判断で点滴をしました。退所時は歩いて(入院先に向かう)救急車に乗っていたので、ある程度回復されたのだと思います」とステーションの果たした役割について話した。「安心したという部分もあるのだと思います。自宅待機だったら危険な状態になっていたかもしれないので」
受け入れは都の要請に基づくものなので、患者が八王子市内の人とは限らないが、「多くのスタッフは『八王子で1人でも自宅療養中に亡くなる方がいないようにしたい』という思いです」と話した。
八王子版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|