東京都は技能者の育成と技能の継承に取り組む中で「成果を上げた」都内中小企業を表彰している。令和3年度の受賞者8社が10月に発表され、八王子市内から大賞と優秀賞で2社が選ばれた。その取り組みについて両社の代表者に聞いた。
大賞は内野製作所
この令和3年度東京都中小企業技能人材育成大賞知事賞において最も栄誉のある大賞を受賞したのは、戸吹町にある精密歯車の試作・製造業「株式会社内野製作所」(ものづくり部門)。優秀賞(2社)を受賞したのは、台町にある電子機器製造業「新協電子株式会社」(同)。
社員数およそ80人の内野製作所は「海外」を利用するなどし人材の育成を図っている。
コロナ禍でこの2年ほどは行われていないが、社員を海外工作機械メーカーに1カ月間滞在させ技術習得に励ませたり、自社の関わるMOTO-GPレースを海外へ観戦に行かせるなどしてきた。
また5年ほど前から人材育成についてのコンサルタントを入れており、およそ3年前からは「職務等級」のシステムを導入。役割職務を明確にしたことで内野徳昭社長は「やるべきことがわかりモチベーションはあがったはず」と話す。人材については「育てるもの」とし、基本的に「新卒」のみを採用している。
社員数およそ30人の新協電子は、若手を大手企業などの「経営塾」に送り込むなど、積極的に人材に投資している。中西英樹社長は人材について「社員の頭の中がそのまま会社の財産」と表現する。採用はここ数年、近隣の高等専門学校が中心で、ここ十年来「離職者はゼロ」だそう。
両社はこのような技能者育成、技能継承への取り組みが評価され、受賞となった。
なお現在の中小企業における人材育成について八王子市は「中小企業にとって人材育成コストは負担だが育成した人や技術は企業の財産となり、事業存続にも大きな影響を与える。従業員一人ひとりの生産性を高める育成は非常に重要」と話した。八王子商工会議所は今回の受賞に対し「中小企業において技術承継の問題は大きな課題。八王子の企業が受賞されたことは大変喜ばしい」とコメントを出した。
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