東京都のコンペでテーマ賞を受賞した(株)葵製作所の代表取締役を務める 長谷川 薫さん 日野市在住 47歳
面白い 感じるまま挑戦を
○…「デザイナーの提案にすごくワクワクしている」とコンペについて語る。インテリア雑貨の試作品づくり、展示の見せ方など最終審査に向け準備中だ。製作所では産業用の大型筐体(きょうたい)などを主力とするため、一般向けの製品もデザイナーと組むのも初。「手触りなど図面に表現されない部分も求められる。技術を磨く努力を止めてはいけないと改めて気づけたことは大きい」という。
○…石川町に生まれる。兄と弟の3人きょうだい。ずっと父が興した家業を継ぐ気持ちはなかった。大学卒業後、化粧品会社に就職し美容部員に。やりがいがあったが、父親から頼まれ26歳の時に葵製作所へ。「休みの融通がきくかな」と、軽い気持ちで入社するが内情は厳しかった。親子で衝突も多く、兄も弟も会社を去り、自身が継ぐことに。職人だった父の「真似はできない」と、自分なりの経営理念を考えた。顧客、仕入れ先、仲間との「絆を育む」ことを掲げている。
○…茶道を始めて27年。「きっかけはとらやの羊羹の美味しさに感動しちゃって」と笑う。月に1、2回、和装して国分寺の教室へ。茶道の「異空間と静けさ」が、仕事のオンオフを切り替える大切な時間となる。「おばあちゃんになっても続けられるもの。いつかお茶の教室を開けたら」と密かな夢を語る。
○…板金加工業の機械化が進む中、「手作業」を大切にしている。その情熱が強かった先代からの教えだ。コロナ禍で仕事が減ったとき、休業はせず社員に技術訓練を促した。「仕事が戻ってきたとき、すぐに対応できるように」。ペン立て、棚など身の回りのものを作ったことで雑貨に活路を見出した。「面白いと感じる方に前へ進みたい」。ワクワクする気持ちを信じ挑戦していく。
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