八王子の郷土芸能「八王子車人形」が国の文化審議会で、国の重要無形民俗文化財の指定にふさわしいとされた。1月21日、八王子市が発表した。今後、正式に国から文化財に指定される予定。東京都では7件目、八王子市では初の国の重要無形民俗文化財となる。
下恩方町・西川古柳座が継承幕末に考案
車人形はろくろ車(箱車)に乗った人形遣いが1人で1体の人形を遣う人形芝居。幕末に現在の埼玉県飯能市で初代西川古柳によって考案された。明治時代に八王子に伝えられて以来、下恩方町にある八王子車人形西川古柳座によって継承されている。
国は1996年(平成8)、車人形を「国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」と選択した。一方市は2017年(平成29)に市制100周年を迎えるにあたり過去の郷土芸能などを振り返る中で、車人形の価値を再確認。そこで同年度(平成29)から3年間かけ学術調査を行い、その成果を372ページに及ぶ報告書にまとめた。
今回、車人形が評価されたのは、その調査の成果と伝承者である西川古柳座の芸が認められた点にある。市生涯学習スポーツ部文化財課は「まずは5代目の西川さん(西川古柳家元)が海外で公演するなどその発展に尽力していること、次の世代が着実に育っていること、そして後援会のサポートがしっかりしていること、この3つが大きなポイントだったと思います」と話した。
学校で授業も
「おかげさまで地元への愛が深まっています」。そう話すのは同座の近隣にある市立恩方第一小学校(下恩方町)の池田貴博校長。同校では毎年、西川さんらを招き車人形についての授業を開いてもらっている。
6年生の総合学習の一環で10月から10回程度、授業が行われる。児童は人形づくりの指導を受けるなどし2月、保護者の前で発表をする。この時の経験を機にその後、車人形を本格的に学ぶようになった卒業生もいるそう。このような地道な地域貢献も「貴重な文化財」にふさわしい取り組みとされる。
子安町にある「桑都日本遺産センター 八王子博物館」(愛称はちはく)では八王子車人形について常設展示をしているが、2月11日(金)から3月31日(木)までは記念展示を開催する。
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