上川町・秋山さん
そして、正々堂々とたたかう選手たちに、人種のへだてなく、心から拍手を送ろう―。前回、1964年の東京オリンピック開催にあたり東京都等は当時、都内の小学生から短文を募集した。「まさか自分が選ばれるとは。本当に嬉しかった」。上川町在住の中小企業診断士、秋山博さんは改めて作品を読み返し感慨深げだ。
6470人から
上川口小学校(上川町)の6年生だった秋山さんは62年(昭和37)、都オリンピック準備局が企画した「オリンピックとわたくしたち」という短文コンクールに応募し総数6470人の中から1位に選ばれた。秋山さんは短文の中で人種差別を否定し高い意識で応援を呼びかけた。「小気味良く書こうと思いました」と当時を振り返る。
受賞にあたり日比谷公会堂で両親も招待されての表彰式があった。その際訪れた日比谷公園の噴水の飛沫が「虹色」に見えた様子を今でもよく覚えているそう。その後、記念に聖火ランナーの伴走者にも選ばれるなど、たくさんの思い出を作ることができた。
なお、市内で他校からの応募もあり、入賞をした児童は複数名いた。
「すごい人」
昨年夏に東京で2度目のオリンピックがあり、先月まで冬季オリンピックが行われた。そのように五輪を身近に感じられたこの間、知人が秋山さんの当時の栄誉を思い出し、今回連絡をくれた。一方、通っていた同小は少子高齢化に伴い児童数が減少。現在は秋山さんが在籍していた頃の「半分程度」だそう。知人は「かつて学校にこんなすごい賞を取った人がいたことを覚えておいてもらえたら」と話した。
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