春先から6月ごろにかけて、落ち着きを見せていた都内の新型コロナの新規陽性者数は、7月24日に2万8千人を超えた。今年に入り、復調の兆しを見せていた高尾山の観光にも影響をもたらしそうだ。
95%まで回復
京王電鉄によると、高尾山口駅の6月の乗降者数は、コロナ禍前の2019年と比べて今年は95%だった。一方、5月24日まで緊急事態宣言が発令されていた20年は60%、6月19日まで宣言が出ていた21年は65%にとどまっていた。
6月の1カ月間で比較すると、高尾登山電鉄の乗降客数は15年から19年の5年間平均に対し、昨年は約60%、今年は約85%。6月までは、コロナ禍前のにぎわいに戻りつつあった状況がうかがえる。今月の陽性者増加は、その復調傾向に影響しているといえそうだ。
雨と暑さも影響
高尾山商店会の松村高雄会長は「6月が回復傾向だったので7、8月に期待していたが、ガックリ減ってかなり厳しい。コロナ(感染者増)に加え、暑さと突発的な豪雨が影響しているのでは。トリプルで打撃を受けている」と頭を抱える。3密を警戒するためか、店に立ち寄らない登山客が多い傾向という。
商店会の加盟店では、店内の換気や消毒、従業員のフェースシールド着用などで感染対策を徹底。「加盟店でも従業員に感染者が出たとは聞いていない。安心してお店にぜひ足を運んでほしい」と呼びかける。8月1日からは「夏の高尾山『清涼』体感めぐり」を開催予定。「高尾山は都心より5度くらいは気温が低い。商店会としても、この涼しさをPRして集客につなげたい」と力を込める。
「近場で屋外」
年に60回ほど高尾山を訪れる、写真家の樋口徹さん(南大沢在住)は「コロナが出始めた一昨年は登山客がグッと減ったが、ここ最近では『感染者過去最大』という割には減ったという印象はない」と言及。「近場で屋外という要件を満たす高尾山は、家族連れにとって訪れやすい。人混みでもなく、まるっきり人がいないわけでもない。写真を撮りに行く分にはちょうどいい」とメリットを語った。
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