八王子市横川町に本部を置き、山梨県などで社会福祉施設の運営などを行う一般社団法人デマンド・アンド・ケアが、仮想空間(メタバース)での就労支援を始めた。障害者支援や引きこもり対策など、福祉事業への活用に期待が寄せられる。
職場はメタバース
メタバースとは、インターネット上に構成される3次元の世界で、自分の分身が買い物をしたり他者との交流を楽しめる仮想空間。その空間内に店舗を作り、就労継続支援B型事業所の利用者たちが、顧客対応や店舗の装飾、受注管理を担うほか、SNSによる広報宣伝なども行う。
仮想空間はブイマプラス(株)(品川区)が提供。就労継続支援事業所を持つデマンド・アンド・ケアは8月、B型事業所を仮想空間内に開設。この作業所で現在、2人の利用者が試行で勤務している。
利用者の中には、精神の障害で対人関係づくりに不安を抱くなど、外出が困難なケースも。引きこもり傾向が強くても、仮想空間内であれば就労できることを想定している。同法人は「対人的なストレスが少ない環境で、就労B型には少ない創造的な働き方にもなり得る」と説明する。
雇用側にも利点
障害者雇用促進法により、一定数以上の従業員がいる企業は、法定雇用率以上の障害者を雇用する義務がある。その点、仮想空間内での障害者雇用は交通費や事務所賃貸料の節約にもつながる。同法人は「就労を望む利用者と企業の双方にメリットがある。今後は『メタバース就労』が加速するかもしれない」と期待を込める。
問合せは同法人の担当・洲川さん【電話】090・6569・8505。
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