死産や流産で子どもを亡くした家族に寄り添う国際的な啓発週間に合わせ、善照寺(堀之内)で10月15日にワークショップとキャンドルナイトが行われる。住職の妻でキャンドル作家の堀川江里子さんらが主催する。
啓発週間「ベイビーロスアウェアネスウィーク」は、毎年10月9日から15日に死産や流産などで赤ちゃんを亡くした家族の心をケアしようという運動。最終日の午後7時から8時にキャンドルを灯す「ウェイブオブライト」が、世界各地で行われている。
善照寺では、キャンドルづくりのワークショップと本堂でキャンドルナイトを実施。赤ちゃんを亡くした経験のある、働く女性の支援団体「iKizuku(イキヅク)」と共催する。ワークショップは経験した親が対象で、キャンドルナイトは誰でも参加できる。
堀川さんは「本堂に炎が灯る時間と空間を味わってもらえれば。一人でも多くの方に活動のことを知ってもらいたい」と呼びかける。
母の葛藤、心に
この運動を堀川さんが知ったのは昨年。寺院内のキャンドル制作のアトリエに通う生徒から聞いた。自身の母親も第2子の死産を経験している。母親から話を聞いたのは、小学6年生のときと結婚するときだけだった。堀川さんは「『過去のこと』として済ませられない母の葛藤があったと思う。力になれたらという気持ちだった」と胸中を明かす。堀川さんはその思いをSNSに投稿したことで、同団体と接触。今回のイベントについて提案があり、快諾した。
同団体の共同代表である藤川奈央さんと星野よしみさんは、2人とも死産や流産を経験している。藤川さんは「赤ちゃんのことを思いながら作ったキャンドルを灯し、思いをはせることは悲しみを受け止める大切なグリーフワークの一つ」と意義を話す。星野さんは「『何もしてあげられなかった』という思いを抱えている。赤ちゃんへのメッセージを書き、香りが選べる。その時間は特別感があり、救われた気持ちになる」と説明する。
堀川さんは今夏、実家に帰省したとき、母親に今回の活動を伝えた。「いいじゃない」と賛同してくれたという。堀川さんは「誰の価値観も気にせず、自由に思うままに自己表現できることがものづくりの魅力。辛さを抱える人が少しでも楽しく生きるきっかけになれば」と願いを込める。
キャンドルナイトは同寺院(堀之内3の12の19)で午後6時45分から8時。出入り自由。同団体の講話もある。
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