椚田町にある国立東京工業高等専門学校が、第33回全国高等専門学校プログラミングコンテストの自由部門で最優秀賞を受賞した。四国の霊場を巡る「お遍路さん」の文化を盛り上げるアプリを開発。同校の最優秀賞受賞は13回目となる。
今回開発したアプリのタイトルは「お遍路さん-未来につなぐ、お遍路文化-」。遍路道を示すマップや6カ国語の翻訳機能付きチャット、御朱印を写真で保存し参拝回数や日時を記録する御朱印帳機能など、4つの機能を備える。
開発したのは、プロコンゼミに所属する3年の永谷凜太郎さん、村岡俊弥さんと、2年の三堀入久真さん、秋月二胡さん、外崎想生さんの5人。リーダーを務める永谷さんは「年齢、国籍問わず、すべての人がお遍路を楽しめるものをテーマとした」とアプリの目的を話す。
現地調査で軌道修正
5人のチームは3月ごろから始動。今夏には徳島へ現地調査に行った。当初は「御朱印のデジタル化」を計画していたが、関係者から過去に商標権のトラブルがあった話を聞いたという。
また、永谷さんは「御朱印をお寺からもらい、そこで生まれる交流を大切にしていると気づかされた。アプリは使ってもらわないと意味がない。現地の意見はすごく大切」と思いを話す。
さらに、コロナ禍の前には、参拝者の3割が海外観光客で、多言語機能が必要なことなど現地の声で知ったという。
データは10万行超
特に注力したのは、山道や畦道を通る「遍路道」マップのデジタル化。通常の地図アプリでは表示されない道が多く、現在も紙の地図が主流だという。開発を担当した三堀さんは「特に強い要望があったのは『高低差』。地図では近く見えても、実際はひと山越えなければならないこともよくあるそう」と説明する。
国土地理院が公開する位置情報と紙の遍路道マップを照らし合わせ、100メートルごとに緯度、経度、高度の情報をアプリに入力。「10万行以上」の情報量を3、4カ月かけて手打ちした。
自動販売機の設置場所や、間違えやすい分岐点などの情報をユーザーが投稿して共有する機能も。調査・資料作成を担当した外崎さんは「寺院を巡る来訪者を温かく出迎える文化がいいなと感じた。地元や参拝者を支援できれば」と話す。
同校によると、開発したアプリの実用化は未定。現在、民間企業と実用化に向けて調整を進めているという。
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