多摩グリーン賞(経営部門)で最優秀賞に輝いた(株)古賀総研の代表取締役を務める 安齋 昭夫さん 東町在勤 77歳
シニア技術者と 駆け抜け
○…多摩信用金庫が毎年地域の優れた中小企業などを表彰する「多摩ブルー・グリーン賞」。その第20回目となる節目の年に、経営部門(多摩グリーン賞)で最優秀を獲った。「社会課題解決の模範となり得るビジネスモデル」の一つとして評された同社だが、表層的ではない強い活動軸が根底にある。
○…それは「シニア技術者に活躍の場を提供すること」。昔は60歳で定年とされたが、IT分野、エネルギー産業、金属分野、有機化学--日本のものづくりを支える各分野の最前線で研究に明け暮れてきた技術者たちの中には、「まだまだ専門知識を学んで世に還元したい」と意欲的な人が多くいたという。自身もその一人。64歳のとき、シニア技術者集団の古賀総研に仲間入りした。それぞれが持つ専門分野のほかに、メイン事業である特許申請に関する市場調査のノウハウを学ぶ必要があったが、「新しいことを知ることができるのが楽しくてしょうがない」。知識欲は底なしのようだ。
○…高齢化という社会課題には「もっとやれる。私たちを使ってくれ」と心の叫びを重ねる。一方で、少子化の解決策についても日々模索する。いくら世界中の最先端技術を調査研究し、議論を深めて日本の産業技術が発展しても、そこに暮らす子どもたちがいなければ意味がない。人々がいて初めて英知や技術が生まれる。その尊さが分かっているからこそ、もどかしさを抱く。
○…「ここに入ったからには、第一線以上の活躍をしてもらう」。社員66人、平均年齢は71歳。最高齢は元通信会社勤務の89歳。知識欲の前に年齢は関係ない。調査報告会で若手の意見にハッとすることもある。「自分もアップデート。より良い社会を目指したい」
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