八王子市のマイナンバーカード申請率が1月時点で78・3%にのぼり、東京多摩26市のうち1位に。17位だった昨年4月の53・3%から大幅な上昇となり、同市が先月発表した。昨年12月から2月にかけてマイナポイント付与キャンペーンを行うなど、市の独自策が奏功したとみられる。
国は今年度中に、マイナンバーカード(以下マイナカード)がほぼ全国民に行き渡ることを目標とし、さまざまな施策で普及促進を図っている。八王子市でもこれまで、申請者に3千円分のポイントを付与する自治体独自策「八王子版マイナポイント」を実施。商業施設や大学などへの「出張申請窓口の開設」、多摩地域初の「コンビニでのマイナカード利用による証明書交付手数料10円キャンペーン」などを展開している。
こうした取り組みを経て、同市のマイナカードの申請率・交付率は、昨年4月から25ポイント増加。東京26市で最上位の78・3%(同市調べ)となった。
対面で支援
市では出張申請窓口のほか、市役所本庁舎や八王子駅南口総合事務所など7カ所に対面で各種ポイント申請をガイドする「申し込みサポート会場」を開設。国のマイナポイント事業(最大2万円分付与)の申込期限が今年5月末まで延長されことを受け、2月20日から28日までは八王子版マイナポイントの申請サポートを優先するなど調整を図った。
八王子マイナポイントをすでに申請したという、みつい台に住む40代男性は、「申請作業は面倒だと思ったが、妻に教えてもらって済ますことができた」と話す。一方、元八王子町の70代女性からは「セキュリティ問題や紛失の心配があるため、マイナカードはつくらないと決めている。(申請すれば3千円分のポイントがもらえるが)お金の問題ではない」との声もあがる。
10円は来春まで
もう一つの施策に「コンビニでのマイナカード利用による証明書発行手数料10円キャンペーン」がある。通常の窓口申請だと住民票は発行手数料として200円、戸籍謄抄本には450円かかるが、マイナカードを利用してのコンビニ発行だと交付手数料が10円になる。多摩地域初の取り組みで、昨年4月と比べて今年1月時点の利用率は約20ポイント増えた。同キャンペーンは来年3月まで実施する。