南大沢駅前周辺の商業施設と南大沢警察署によるテロ対処合同訓練が3月2日、イトーヨーカドー南大沢店前の歩道上で行われた。合同訓練が公開されるのは9年ぶり。昨秋発生した東京都立大学教授の襲撃事件を踏まえ、連携と防犯意識を高めることが狙いだ。
実施したのは、南大沢の商業施設や団体らで構成される「『元気な街』南大沢協力の会」と南大沢警察署。さすまた訓練とテロ対処訓練に総勢約50人が参加した。
さすまた訓練には、三井アウトレットパーク多摩南大沢、イトーヨーカドーなど同商店街に加盟する商業施設の警備員5人が参加。同署の柔道助教・川口純弘さんの指導を受けた。川口さんは「相手と距離を取るさすまたの特性を生かすこと。真横から力を加えず、斜め下から相手を抑えて」と伝授。警備員らは腰を深く落とし、力の入り具合を確認した。
テロ対処訓練では、商業施設に刃物を持つ不審者が現れたと想定。通報の流れ、買い物客の誘導、警察官との連携などを確認した。
通報は、防災センターの職員と警視庁通信指令本部が実際に通話した。通信指令本部からの質問に対し、職員は「黒っぽい服装を着ている」「年齢はわからない」など状況を伝えていた。
警備員が不審者をさすまたで抑え、駆けつけた警察官が逮捕するまでの流れを確認。さらに、爆発物が仕掛けられた想定も。機動隊爆発処理班による訓練も行われた。
同会の新美大作会長は「臨場感があり、実践的で有意義な訓練ができた。防犯意識を高めるため、今後も警察と連携した地域の取り組みが重要」と振り返った。
同会と同署の合同訓練は毎年行っているが、訓練を公開するのは2014年以来。昨年秋、都立大南大沢キャンパスで発生した襲撃事件を踏まえ、訓練を公開することで防犯強化の取り組みを住民らに周知しようと同会から提案した。同署も、5月に広島で開催されるG7サミットに向け、官民合わせた警備体制の強化を図った。
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