整備中の「八王子駅南口集いの拠点」について、八王子市は民間の力を活用し公共事業を行うPFI事業契約を3月6日に締結。「八王子ミライテラス・プロジェクト」と題し、2026年10月の完成に向けた設計や建設、管理運営に関する未来図を発表した。
この事業は、旧八王子医療刑務所庁舎の跡地を含む八王子駅南口周辺地区の国有地で、学びや交流、防災など複数の機能を備えた施設を目指して整備。2012年度に同地区まちづくり方針を定めて以来、市は庁内検討会や外部懇談会、市民アンケート、事業者への聞き取り等を進めてきた。
PFI事業の契約者は昨年募集し、審査を経て2候補のうち「八王子ミライテラスパートナーズ(株)」(浮穴浩一代表)に決定した。同社は大和リース(株)東京本店を代表企業とする9者の事業者等で構成。医療刑務所の解体工事、拠点整備・運営事業の設計と建設、施設の維持管理・運営を担う。契約金は約180億円5千万円で、契約期間は2041年9月末までとなっている。
市民参加に重点
市はこの施設を八王子の新しいシンボルにすることを目指し、市民の夢を集めて学びや交流を通じて未来をつくろうというコンセプトを設定。傾斜地を生かした周辺地域との調和を掲げ、約5万2千平方メートルの敷地に「8つの山」と「3つの広場」を盛り込む。
主な施設に公園、ライブラリ(図書館)、歴史・郷土ミュージアムを計画。多様な利用者に配慮したインクルーシブ遊具、円形デザインの建物、半屋外空間の軒下テラスなど各所に趣向を凝らす。市集いの拠点整備課は「運営に力を入れ、利用者が増えるよう魅力を高めたい」と展望。「多世代の市民に、自分たちの施設として思い入れを持って使い方を考えてもらえれば」と市民参加の重要性を強調する。
施設の設計、建設に向け、市は事業者と協議会を発足させる。2023年度は医療刑務所の解体工事に着手し、設計方針を固める方針だ。
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