就職氷河期世代の採用や育成を促進する中小企業への助成金支給を、東京都が開始して3年が経過した。昨年度には助成金を申請する企業が、過去2年間と比較しておよそ倍の100社近くになるなど、取り組みの浸透が見られる。八王子市における就職氷河期世代への支援状況と合わせて、本紙で調査した。
都が就職氷河期世代と定めるのは、1990年度前半から2000年度初めごろに学校を卒業した人。現在、30代後半から50歳ぐらいとなり、卒業時に正社員として就職できず、不本意ながら非正規社員や無職となったケースを想定している。その数は都内で10万人を超えるとされ、都は国の方針もあり、その支援策を進めてきた。
その一つが、氷河期世代の採用や育成にあたる中小企業への助成金制度だ。今年度も名称を「就職氷河期世代リスタート支援助成金」として5月1日から申請を受け付けている。都の担当者によると、制度がスタートした2年間は助成金申請企業が50社前後にとどまったものの、昨年度は100社ほどまで増加したという。
「周知が浸透してきた結果と考える。4年目となる今年度も申請する企業が増えてくれれば」と都担当者は話す。
八王子市で就職相談会も
八王子市では、就労に困難を感じている就職氷河期世代の把握と就労に向けた支援を目的に、2022年度から「八王子市就職氷河期世代就労支援事業」を実施している。内閣府の地域就職氷河期世代支援加速化交付金(補助率4分の3)を活用したもので、本人や保護者を対象に就職相談会などを開いてきた。
22年度は相談会を12回開催。キャリアコンサルタントなどの資格を持つカウンセラーが、就職に関する幅広い悩みの相談に対応した。親世代にもアプローチするため、市内の町会自治会に向けて周知チラシも配布したが、参加者数は延べ18人と奮わなかった。市担当課は「想定より参加者が少なかった。キャリアカウンセリングに特化した内容だったため、就労経験が少ない方は気軽に参加しやすい反面、現在働いている方には得られる効果が伝わりにくかったことが一因では」と分析。一方で「自分の現状を把握することができた」という参加者の声も。親子同伴で参加したことで、意思疎通が希薄だった親子関係の改善に向けたきっかけとなるケースもあったという。「今後も事業を継続していくことで周知が進めば」と期待する。
市は今年度、就労支援のノウハウを持つ民間企業からの提案を受けられるプロポーザル方式での契約手続きを進行中。「就職相談会に加えて、就職面接会などのマッチング機会や相談後のフォローアップも合わせて提供することで、より就職に向けたサポートができる内容とする予定」との展望を示している。
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