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公開日:2023.05.18
コロナ5類移行
市内も「気持ち緩めず」
病院・高齢者施設・商店は
新型コロナウイルスの感染症の法上の位置付けが5月8日、「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。これに伴い、外出制限や患者登録・健康観察、濃厚接触者の考え方がなくなった。八王子市内の病院や高齢者施設、商店などではどう受け止めているのか、本紙記者が現場の声を集めた。
基本は 「自主的に対策」
5類移行に伴い市では、行政が要請・関与する仕組みから市民による自主的な取り組みを基本とした対策へと切り替えている。
発熱などの症状がありコロナが疑われる場合は、 発熱患者などの診療に対応する「外来対応医療機関」へ。東京都福祉保健局のウェブサイトでも閲覧できるが、八王子市内では155院登録されている(5月15日時点)。そのうち、「かかりつけ以外の患者でも対応可」なのは99院。院内感染を防ぐため、事前に電話またはウェブ上で予約を取ることを呼びかけている。その際の診療費や検査費用は自己負担。薬については、急激な負担増を避けるためコロナ治療薬のみ公費負担が継続する。
感染した場合は、自宅療養が基本となる。 患者登録や健康観察がなくなることに伴い、保健所からの療養に関する連絡はなくなる。しかし、留意点として▽発症後5日が経過した上で、症状がよくなってから24時間が経つまでは外出を控える▽発症後10日が経過するまでは、マスクを着用し、高齢者などの重症化リスクが高い人との接触を控える--ことなどが推奨される。
市では、療養についての電話相談を受ける「八王子市新型コロナウイルス感染症療養コールセンター」を健康医療部で管轄。5類移行以降、同部では「相談件数に大きな変化はない」という。
電話による問い合わせ内容は、療養に関することのほか、4割は職場への提出や保険申請の際に必要となる療養証明についてなど。相談件数が落ち着いていることについて、担当者は「今年1月に発表されてから十分な時間があったことも踏まえ、皆さんおおむね冷静に受け止めているのでは」と推測する。
少しずつ平時へ、様子見も
子安町の清智会記念病院では現在、発熱者に対して一般外来と分けずに予約不要で対応している。横山智仁理事長は、「これからは全ての医療機関で発熱に対応することになる。感染者数が増えたとき、1カ所に集中しないような仕組みにできれば」と医療現場の今後を見据える。
同院では昨夏の第7波の際、多い日で通常の6倍近い60人ほどの患者対応に追われた。職員側も罹患などにより、約300人体制のうち15人ほど欠けた時期も。「残った職員の頑張りで何とか乗り切った」と振り返る。「ウイルス自体は変わらない。これからも波はあると思うが、少しずつ平時に戻していく。全ての感染症に対して、一人ひとりがやるべき対策をしていきましょう」と呼びかけている。
一方で、市内の老人ホームでは移行前と「大きな変化はない」という。施設内に設置したアクリル板などはそのまま。家族の面会は再開しているが、「感染の可能性がなくなったわけではない」と気を引き締める。同施設の担当者は「5類になったからといって基本的な対策や対応は変えない。しかし世間の様子を見て、徐々に緩和していく可能性もある」と情勢を探る。
市内精肉店の男性店主は、近隣店舗のアクリル板などが撤去されたかをチェックする。「様子見、といった具合。でもマスク客も多いし、その方たちが安心できるようにしばらくは店内の対策を続けていく。移行したからといって慌てて対策をやめる必要もない」と冷静に話す。
5類移行から10日。終わりの見えない中、「手探りのウィズコロナ時代」が始まったと言えそうだ。
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