戻る

八王子 トップニュース経済

公開日:2023.07.20

商議所・市など3者連携
八王子 事業承継支援へ

  • 市役所で覚書を交わした(右から)樫崎会頭、石森市長、有田支店長

 八王子市内の企業が抱える事業承継の課題をサポートしようと、八王子商工会議所(樫崎博会頭)と日本政策金融公庫八王子支店(有田哲二支店長)、市は7月13日に覚書を締結。各々の知見やネットワークを生かし、支援体制を強化していく方針を打ち出した。3者による覚書は都内初の事例となる。

 今回の覚書は、3者それぞれが持つ支援事業や取り組みを結集し、中小企業や経営者の力になろうという試み。相談を受けたら、情報を適切に管理しながら3者で共有し、専門機関との橋渡しや資金調達、M&Aによる創業など支援メニューの中から選択肢を模索していく。

 樫崎会頭は「小規模事業者にとって後継者問題は大きな悩み。会員企業に対しても寄り添いながら、少しでも解決への力になれたら」と思いを込める。有田支店長は「廃業に歯止めをかけ、地場産業の発展につながれば。担い手と企業をつなぐマッチング支援に今後も注力していく」との考えを示した。

市内企業550社廃業の試算も

 経営者の高齢化が進む中、市内でも多くの企業が「後継者がいない」「どうやって承継すればいいか分からない」といった課題を抱えている背景がある。

 代表者が50歳以上の市内中小企業を対象に、市が2020年度に実施した事業承継に関する状況調査(有効回答1124票)によると、5年未満に廃業予定と回答した企業は5・8%にあたる65社。2025年までに市内で約550社が廃業見込みという試算も公表された。石森孝志市長は「市内企業ができるだけ継続して事業を行えるよう、3者で連携を深めていく」としている。

 3者は東京都多摩地域事業承継・引継ぎ支援センターとの共同で6月19日、昨年度に始まり2回目となるセミナーを、東京たま未来メッセ(明神町)で開催。市内外から46人が参加した。「来るべき未来に備える事業承継」を掲げ、同センターの専門家が講師に。同センターの活用方法や事業承継における税制上・法務上の課題などについて解説した。主催者は「日本の中小企業の割合は約99%で、経済の中核を担う。事業を継続していかなければならない」と強調。今後の3者連携にも期待が寄せられる。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

八王子 トップニュースの新着記事

八王子 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS