八王子市と北海道苫小牧市が姉妹都市になってから今年で50年。その背景には、江戸時代に蝦夷地(北海道)の警備と開拓のために海を渡った「八王子千人同心」の姿があった--。企画展「八王子と苫小牧 〜千人同心がつないだ絆」が、子安町の桑都日本遺産センター八王子博物館(はちはく)で10月1日(日)まで開催されている。午前10時から午後7時まで。入館無料。
苦難の開拓移住
八王子千人同心は、江戸時代に日光東照宮の防火や警備などを勤めた半士半農の郷土集団。市内にある「千人町」の地名の由来にもなっている。
北方の警備や開発を重要視する幕府の方針を受けて蝦夷地行きを希望し、1800〜01年に約130人が移住。勇払(苫小牧市)や白糠(白糠町)で警備や開拓に従事したが食糧自給が難しく、極寒の地での生活で病人や死者が続出、事業は数年で終了せざるを得なかった。また58年にも約30人の蝦夷地移住があり、飯田甚兵衛が開いた飯田郷は後に七重と合併して、現在の七飯町の町名の由来になっている。
八王子市と苫小牧市は、この縁で1973年に姉妹都市提携を結んでいる。現在も小学校で苫小牧市ゆかりの食材を使った給食の提供や小中学生の訪問交流、八王子まつりへの招待などの親交が続いている。
時代背景も解説
同展では八王子千人同心の蝦夷地移住を中心に、苫小牧との関わりや幕末に向けて西洋の情報を吸収していく千人同心の海外研究の様子に着目。貴重な資料や写真と共に紹介している。同館の学芸員は「桑都始まって以来の一大事業だった千人同心の移住と苦難の歴史について知るとともに、その時代背景などについても関心を持っていただければ」と話す。
問合せは同館【電話】042・622・8939。
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