「毎朝ポストに漢字の問題が書かれた紙が届く。それを解いて、夕方ごろ瀬沼さんに電話しないとね」--。
川口町の一角で、ひっそりと続いている文通がある。文通といっても、やりとりをしているのは「漢字問題」。元高校教諭の瀬沼秀雄さん(74)が漢字の難読問題を紙に書き、翌日、近所に住む小林修さん(86)宅の郵便受けに直接投函するのだ。小林さんも、72歳まで創価大学(丹木町)で教壇に立っていた元教職員。辞書で読みを調べ、その日の夕方ごろ、瀬沼さんに電話して「答え合わせ」するのが日課だ。瀬沼さんは、「(文通は)かれこれ1000日以上続いている。コロナ下から始まったので、細かく言うと1200日くらい」と話す。
ちょうどひと回り年齢が離れている2人。文通のきっかけは何だったのか。もともと同じ町内で顔見知り。小林さんが地域のシニアクラブで行う発表会で、「漢字にまつわるおもしろい話」を披露。それを偶然瀬沼さんが見た。「これ読めますか、あぁこう読むのか、というやりとりが始まった」と小林さんは話している。
「脳トレに最適」
家が近かったこともあり、「1日単位の文通」がスタート。問題は1枚に10問ほど。瀬沼さんは、漢字検定の上位級の問題を電子辞書などから選定。これまで1万問以上を出してきたという。「最近は未出題の問題が減りすぎて、『伯林』など地名まで到達している」。小林さんのことを「先輩でもあり、探究心がすごい」と尊敬の念を抱く。小林さんも「難しければ難しいほど、調べるのに没頭する」といい、派生語まで調べていくうちに2時間経っていたこともあるという。「出す方も解く方も脳トレに最適」と互いに笑い合った。
瀬沼さんは旅行が趣味で、コロナが5類に移行した今年、1週間ほどドイツに。そのときも出発前にまとめて問題を投函した。小林さんは「盆も暮れもありゃしない。でも、付き合ってくれる瀬沼さんには感謝している。命の限りは続けていきたい」と話す。
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