長沼町の直売所「菱山ファーム」の菱山まり子さんが1月25日、野菜のおいしい調理法などをアドバイスする「食育ソムリエ」として秀でた業績を残した人物に贈られる「食育ソムリエエンパワラー」に選ばれた。菱山さんは農業に従事しながら、野菜の調理方法を教え合う「おかず会」の開催や市内の保育園児を招いての農業体験など「農と人をつなぐ活動」が評価されたと見られる。
野菜や果物の選び方やおいしい食べ方を消費者に伝える「食育ソムリエ」。日本協同組合連携機構(JCA)が独自に認定している資格で、講座を受講することで取得できる。同機構のホームページよると、2023年度でその数全国に3500人以上。農業と食、ひいては人との架け橋となり、地場野菜の需要拡大などを目指してそれぞれ活動している。
今年、同機構では食育ソムリエの認知度向上や活発化を目的として、初めて表彰制度を導入。全国の食育ソムリエから1店舗と3個人を、卓越した業績をもつ「エンパワラー」(影響力のある人)として表彰した。
3個人のうちの1人に選ばれたのが、直売所「菱山ファーム」=写真右下=を経営する菱山まり子さん。菱山さんは、自分の畑で採れた野菜など、旬の野菜を使った料理を消費者や他の生産者と持ち寄る「おかず会」を11年に初開催。直売所の2階を開放し、年に2・3回定期的に開いていた(現在はコロナの影響で休止中)。「私のように料理が苦手な人もいる。そんな人も、人の料理を見て得るものがあれば」と菱山さん。参加者は、料理好きでもそうでなくても、老若男女、国籍も問わず。ドイツにルーツがある人が参加した際は、ゆかりご飯のおにぎりの中にチーズが入っており、みんなで感心したという。「日本だと梅干しを入れがち。料理を通してこうした郷土や文化が垣間見えるのがおもしろい」とおかず会の楽しさを話す。
菱山さんは他に、市内の保育園の園児を招待した農業体験や、畑で採れた花を園児たちに自由に生けさせる「花育」活動も行っている。「これからも楽しみながら農作物の魅力を伝えていきたい」と菱山さんは話している。
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