八王子市内の昨年一年間の侵入窃盗被害件数が126件で、都内53市区町村(島部除く)中3位だったことが市の調べでわかった。新宿区、町田市に次ぐもので、昨年5位から34件増。市では増える侵入窃盗犯罪の対策として、市民による防犯カメラの購入・設置費用を一部補助するなど防犯意識の向上や対策を呼びかけている。
侵入窃盗は、住宅などの建物に侵入して金品を盗む犯罪で、家人を脅して行う「侵入強盗」とは異なる。戸建てやマンションなどの一般住宅が狙われる場合や、会社の事務所などが狙われるケースがある。
市防犯課では毎月、安全なまちづくりに役立てるため、警視庁のデータから市内の各種犯罪件数を算出している。
コロナ前の2019年、市内で発生した侵入窃盗の件数は196件。練馬区、新宿区、世田谷区、大田区、足立区に次ぐ都内ワースト6位だった。これがコロナ下で84件(20年)、69 件(21年)と一時低下したが、22年には92件と増加の傾向を見せ、昨年23年には126件とコロナ前の件数に迫った。
市内で最近発生した事例は、2月下旬に「椚田町の集合住宅で無施錠の玄関から侵入され現金が奪われた」「子安町の施設で職員の後ろについて侵入された(物色のみ)」などが報告されている。
3月18日から申請開始
市では、相次いで発生する侵入窃盗や広域強盗事件などを受け、家庭での防犯対策に補助金制度を設立。補助金名は「八王子市住まいの防犯対策臨時補助金(追加)」。昨年8月に行われた同制度の第2弾で、防犯カメラやカメラ付きインターホン、迷惑電話防止機能付き固定電話機などの購入・設置費用を半額補助。上限額は2万円で、申請受け付けを3月18日から開始している。八王子市に住民登録がある人が対象で、予算がなくなり次第終了。特に防犯カメラは侵入窃盗だけでなく、車上ねらいや自動車・自転車・オートバイ盗の抑制にもつながるとされている。
自治体別ランキングは発生件数によるもので、人口や市区町村面積は加味していない。市防犯課担当者は、「ランキングがすべてではないが、ワーストから外れるに越したことはない。同補助金などを活用して、まちぐるみで防犯意識を高めてほしい」と話した。
昨年実施された同補助金の第1弾では、市民から4388件が申請された。このうちカメラ付きインターホンが約7割、防犯カメラが約2割を占めた。また申請者の約6割が60歳以上だった。
同補助金の詳細は市のウェブサイトから。問い合わせは同課【電話】042・620・7395。
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