4月に入り小学校の始業式が始まるまでの約1週間、朝30分早く開所する試験的な取り組みが市内学童保育所(以下学童)の一部で行われた。
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春休み平日最終日の4月5日、七国小学童保育所第1クラブ(七国)では、朝の預かり開始時刻より30分早い午前7時30分から「朝の預かり」が始まっていた。7時40分過ぎ、事前申請をしていた児童とスーツ姿の父親が登所。「傘はここにしまおうね」などとスタッフとやりとりしながら児童が入室すると、父親はそれを見届けて足早に学童を後にした。
現在、同学童には155人の児童が在籍。うち10人ほどが、4月1日より7時30分からの預かり時間枠に事前申請を入れている。通常の保育時間のスタートは8時30分からで、8時からの預かり枠だと延長利用料金が200円、7時30分からだとさらに200円上乗せされる。
一部で試行実施
「共働き家庭も多く、(1日平均10人が事前申請することを受け)ニーズはあるのかな、と思います」と話すのは、同学童を市から委託を受けて管理運営する八王子社会福祉協議会の担当者。同社協は市内90カ所の学童のうち、36カ所を運営している。今回は、そのうち入所児童が多く、人員確保ができた13の学童でこの試行実施を行った。
児童の安全
市では、この取り組みの実施理由について、「就労している保護者への支援」や「児童の安全の確保」のため、と話す。「児童の送り出しより前に出勤しなければならない保護者にとって、児童を1人で登所させる心配がなくなる。児童にとっても安全な環境下にで朝の時間を過ごすことができる」と説明している。同社協の担当者によると、「朝、スタッフの出勤より早く入り口前で待っている児童もいる」という。スタッフが必ずいるとは限らず、防犯面や交通事故防止の面からも、歯がゆい思いをしていた。早朝預かり枠を利用している保護者からは、好意的な声が届いているという。
同社協の担当者は、「保育園などでは7時や7時30分から預かりを始めているところが多い。長期休みの学童の預かりが8時からというズレも『小1の壁』となりうるのではないか」と共働き家庭の事情を汲む。一方で、「必要性を受け試行実施を行ったが、あくまで就労などの事情に応じて各家庭の判断で利用してほしい」と同学童のスタッフは話している。
夏休みは未定
今回は3月下旬から始まった春休みのうち、4月1日から6日に試行実施を行った。市では今後、「結果を検証し、市の政策としての必要性について検討する」としている。同社協の担当者も、「継続的な人員確保や人件費の件も合わせ、市と調整していきたい」と話している。
八王子では、学童を利用できるのは小1から小3まで(障害児は小4まで)となっているが、市内7学童は小4まで、18学童は小6まで預かりを行っている。市によると、埼玉県坂戸市でも同様に、7時30分からの延長保育を実施しているという。
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