児童合唱団「はちおうじキッズシンガーズ」の主宰者で作曲家・合唱指揮者の 松下 耕さん 絹ケ丘在住 61歳
再起の経験 子どもたちに
○…この春に設立される児童合唱団を主宰する。歌が好きな子どもたちに上達と活躍の機会を提供し、八王子に合唱の文化を育むことが目的。「海外では合唱は芸術の一分野として確立されており、日本でも同じように根付かせたい。一人一人の成長を丁寧に見て、高いレベルの表現ができるように指導していきたい」と抱負を語る。
○…武蔵野市出身。小学6年から八王子に住む。音大を卒業後にハンガリーで合唱指揮法や作曲法を学び、帰国後は合唱指揮者や作曲家として活躍。現在は14の合唱団を指揮、作曲や合唱の審査員、講師などで国内外を飛び回る日々だ。その傍ら、「地元に恩返しをしたい」と2015年にみなみ野で児童合唱団を立ち上げ、3度にわたり全国大会出場に導いた。
○…半生には挫折もあった。小1から通っていた音大付属のピアノ教室を講師から「才能がない」と言われ、中2で退所。ショックで自暴自棄になったが、進学した都立高校で転機が訪れた。音楽教諭に歌声をほめられ、勧誘された合唱部で「みんなで一つの音を作ること」に感動。さらに指揮を任され出場したNHKコンクールの予選で、日本を代表する指揮者にほめられたことも重なり、「もう一度やってみよう」と音大の門を叩いた。今では自身の曲がNHKコンの課題曲になっている。「こんな日が来るとは。子どもたちには『望みがあるならやってごらん』と伝えたい」と優しくほほ笑む。
○…家族は妻と子ども2人、愛猫も。日頃の活動を陰から支えてくれる妻に感謝を滲ませる。1年ほど前からピラティスに挑戦中。「作曲をしていると同じ姿勢でいることが多いので。硬くなった体がほぐれ、よく動くようになった」と週1回の楽しみになっている。
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