2月末で終了したデジタル地域通貨「桑都ペイ」の共同分析研究を行う 熊倉 広志さん 中央大学多摩キャンパス在勤 62歳
桑都ペイの可能性探る
○…デジタル地域通貨「桑都ペイ」。昨年10月に市内で初めて運用がスタートし、期間中約15万8千人が現金をチャージした。利用実態が集約されたビッグデータを、東中野にある中央大学企業研究所と市が共同研究する。同研究所の所長として「経済効果だけではなく、地域コミュニティへの貢献効果についても解析に努めたい」と声を弾ませる。
○…同大商学部の教授でもあり、専門はマーケティング。大学卒業後、製造業の企業や証券会社など、転職を繰り返した。広告代理店に勤務していたとき、人の購買行動に興味を持ち仕事をしながら大学院へ。同じ雑誌というくくりでも、「男性向けマンガ誌は発売日をずらす。女性向けファッション誌はずらさない傾向がある。購買者の特徴によって各誌戦略を変えている」。そんな違いを解き明かすのが楽しかった。この道を究めようと、教員になったのは39歳のときだ。
○…今回研究に携わることになった桑都ペイ。経済効果だけを狙うなら他のキャッシュレス決済サービスでも叶う。桑都ペイの特徴として、期間中に特定のイベントに参加することで得られたポイントは利用者同士で譲渡可能だった。「自分の知る限り、ポイント譲渡の実態に関する研究はほぼ無いのでは」と桑都ペイが地域コミュニティの活性に繋がることに期待を見出す。
○…最近練習をしているピアノは、来年研究のために赴く米国ニューヨーク滞在のために習い始めたもの。初めて研究で訪れた7年前は、英語の壁や孤独に打ちひしがれた苦い経験がある。「次に行くときはNYでストリートミュージシャンになれるくらいの度胸を身につけたい」と、人前で演奏できるよう、目下練習を重ねている。
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